長良川本流沿い露頭編 その70 美並町勝原の珪質粘土岩 :郡上市美並町大原勝原左岸露頭(美並町にある温泉施設の南西の長良川左岸)
昨年の9月16日「長良川沿いの珪質粘土岩その3」で紹介した珪質粘土岩を再度紹介します。場所は、郡上市美並町勝原にある温泉施設南西の長良川左岸です。温泉施設の入口から南へ100m弱のところに、西(長良川の方)へ向かう道があります。そこを突き当りまで進みます。河原への細い道を下り、右手(上流側)に進むと珪質粘土岩の露頭があります。前回紹介した黒色層状チャートの露頭から北東(上流)へ20m強進んだところにあります。
珪質粘土岩は、美濃帯堆積岩類に特徴的な岩石(美濃帯の西方延長部に位置する丹波帯にも同様の岩石は分布する)で、粘土鉱物からなる岩石です。黒色の珪質泥岩を中にはさんでいます。調査研究によって、中生代三畳紀の層状チャートの基底部に存在することがわかっているようです。
地質図において、珪質粘土岩の露頭がある×地点は青紫色(Mto)の中にあり、青紫色は珪質粘土岩及び優黒色泥岩からなる地層です。写真が四種類ありますが、上の写真は珪質粘土岩の露頭を南西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。中下の写真は中上の写真と同じ露頭を南東から撮ったもので、灰色の珪質粘土岩に黒色の珪質泥岩がはさまれているのがわかります。珪質泥岩は数cm~5cmの厚さではさまれていますが、露頭が層理面に沿って露出していますので、珪質泥岩が幅広く入っているように見えます。下の写真は、中下の写真の中央右端近くを近づいて撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
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