長良川本流沿い露頭編 その71 美並町根村の珪質泥岩層と層状チャート :郡上市美並町上田根村右岸露頭(温泉施設北西の西から流れる支流の合流地点付近)
昨年の10月15日「長良川鉄道の車窓からみた岩石その3」で紹介した珪質泥岩層と層状チャートが接している露頭を再度紹介します。道の駅美並を北へ向かい、しばらく進むと短いトンネル(根村洞門)を通ります。そのトンネルを過ぎて400mほどの右手(東側)に接骨院がありますので、その先を右折します。近くに車を停めて、右折したところから50mほどをさらに右折して支流沿いを東へ進みます。途中で橋を渡り、支流の右岸に出てそのまま東へ進むと、長良川の河原へ下りることができます。支流と長良川の合流地点の10m弱南に、珪質泥岩と層状チャートが接している露頭があります。
美濃帯堆積岩類は、海洋で噴出したり堆積したりしたものが海洋プレートによって移動して、陸地(現在の日本列島)に付加したものです。チャートは砂や泥が届かないような陸地から離れた深海底で堆積したものですが、珪質泥岩は陸地に近づいたところで堆積したものです。そのため、珪質泥岩はチャート形成のもととなっている放散虫と泥の粒がまざって堆積しています。
地質図において、この露頭地点(×地点)はそら色(Msi)である珪質泥岩からなる地層と、オレンジ色(Mch)であるはおもにチャートからなる地層の境界付近にあります。写真が四種類ありますが、上の写真は珪質泥岩層と層状チャートが接している露頭を東からパノラマで撮ったものです。以前「長良川鉄道の車窓からみた岩石その3」で珪質泥岩層と層状チャートの接している写真を掲載し、写真上に境界線を載せましたが、境界線が間違っていましたので、上の写真では訂正しています。中上の写真は上の写真の中央部を撮ったもので、写真の中央に写っているレンズ状(淡灰色)の岩石はチャートです。そのチャートに近づいて撮ったものが中下の写真です。下の写真は、上の写真の「層状チャート」と表示されている「―ト」の上部周辺を北東から撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
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