長良川本流沿い露頭編 その84 美並町高原の珪質粘土岩 :郡上市美並町高砂高原右岸露頭

 「長良川本流沿い露頭編その80」と「長良川本流沿い露頭編その83」では、珪質粘土岩を紹介しましたが、ここでも珪質粘土岩が露出しています。地質図を見ると、この3地点は割合近くに位置し、いずれも一連のチャート層とメランジュからなる地層の境界近くに分布しています。美並町高原右岸の珪質粘土岩の露頭は、南北17mほど、東西10mほどで、長良川沿いに独立して露出しているため、国道156号からも見ることができます。

珪質粘土岩は、粘土鉱物からなる岩石で、チャート層に伴って存在し、中に黒色の珪質泥岩をはさむことを特徴としています。ここの露頭において、足元より上の部分は黒色の珪質泥岩が主に露出しています。この黒色珪質泥岩は層状になっていて、灰色~淡青灰色の珪質粘土岩がレンズ状入っています。一方、足元の部分は珪質粘土岩が優勢で、黒色の珪質泥岩が帯状に入っています。

地質図において、この露頭(大きい×地点)はオレンジ色(Mch)の中にあり、オレンジ色はおもにチャートからなる地層です。北には灰色(Mmx)のメランジュからなる地層が広がっています。小さい×地点が2ヶ所ありますが、「その80、83」で紹介した珪質粘土岩の露出地点です。写真が四種類ありますが、上の写真は珪質粘土岩の露頭を東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央左側を撮ったものです。ハンマーの位置は同じです。中下の写真は同じ露頭の下部を南から撮ったもので、下方(右側)では、灰色の珪質粘土岩に黒色の珪質泥岩が帯状に入っている(白丸の上部)のがわかります。下の写真は、中下の写真の中央下部を近づいて東から(右側から)撮ったものです。写真の上位は珪質泥岩で、下位は主に珪質粘土岩(黒色の珪質泥岩が帯状に入る)です。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)





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