長良川本流沿い露頭編 その124 八幡町亀尾島川合流部付近の赤色層状チャートと貫入岩 :郡上市八幡町西乙原の北東右岸露頭(亀尾島川と長良川の合流部付近)
一昨年の8月18日「長良川沿いのチャートその3」、10月29日「長良川鉄道の車窓からみた岩石その13」で紹介した長良川沿いの赤色層状チャートと貫入岩の露頭を再度紹介します。国道156号を北進し、八幡町吉野に歩道橋(「八幡町吉野」と書かれてあります)がありますが、そこを越えて200m強で吉野トンネル、吉野洞門を連続して通ります。通過して100mほど進むと、長良川対岸に赤っぽい部分がある岩が露出しているのが見えます。その露頭への行き方としては、法伝橋(青い橋)を渡り、国道256号線から県道61号線に入り、200mほど南東に進んだところの民家と民家の間の細い道を通って、徒歩で河原へ下りればよいです。長良川鉄道の亀尾島川に架かる鉄橋の下にあたります。
チャートは、深海底で放散虫などの微生物の遺骸が堆積したものであり、堆積した当時の海水の状態を記録しているようです。チャートにはいろいろな色のものがありますが、その色は含まれている微量成分によってつくのです。赤色(えんじ色)は酸化鉄(Fe2O3)によるもので、堆積当時の海水は酸素が豊富で酸化的環境であったことを示すと考えられています。ここの赤色層状チャートは、おもに2cm~4cmの厚さの赤色チャート層の間に、2mmほどの薄い泥岩層をはさんでいます。チャートの厚いところは10cmほどのところもあります。また、赤色チャート以外にも、淡青灰色のチャートの部分もあります。そのチャートに入り込んでいる貫入岩は、暗青灰色をしていて、斑晶は1mm以下で、斜長石が確認できるくらいです。確認できる貫入岩は、幅が2.5mほどのものと、18cm~23cmのものがあります。
地質図において、赤色層状チャートと貫入岩の露頭(×地点)はオレンジ色(Mch)の中にあり、オレンジ色はおもにチャートからなる地層です。写真が五種類ありますが、上の写真は赤色層状チャートと貫入岩の露頭を南からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央右を撮ったものです。赤黒っぽく見えるのが赤色チャートで、暗灰色に見えるのが貫入岩です。ここで見える貫入岩は幅が2.5mほどです。真中の写真は中上の写真の露頭に上がって東から撮ったもので、ハンマーの左右に貫入岩が入っています。貫入岩の幅は18cm~23cmです。中下の写真は、真中の写真の中央右を撮ったものです(ハンマーの位置は異なっています)。下の写真は、真中の露頭を北から撮ったものです。なお、中下と下の写真は、「長良川鉄道の車窓からみた岩石その13」で使用した写真と同じものです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と中下、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)ような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
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