長良川本流沿い露頭編 その152 大和町野口の砂岩層と砂岩泥岩互層 :郡上市大和町島野口の右岸河床露頭(特殊造形物の製造工場の北250mほど)
一昨年の8月31日「長良川沿いの砂岩、泥岩その4」、11月11日「長良川鉄道の車窓からみた岩石その17」で紹介した大和町野口の砂岩泥岩互層の露頭を再度紹介します。国道156号線を北進し、郡上市八幡町を越え、大和町に入ると、長良川沿いに砂岩泥岩互層が何箇所かで露出しています。国道156号線「ぎふ大和IC東」の交差点を左折し(西へ曲がり)、橋を渡り長良川の右岸を北へ進むと岩石が露出しています。橋の北には特殊造形物の製造工場がありますが、橋の250mほど上流(北)の右岸河床です。砂岩層と砂岩泥岩互層が分布しています。
砂岩や泥岩の大部分は、大陸側から川などによって海洋へ運ばれた砂や泥が元になっています。玄武岩質溶岩や石灰岩、チャート層などが海洋プレートによって大陸近くに運ばれ、海洋プレートが海溝に沈み込む際に、大陸側からの砂や泥などといっしょに堆積し、大陸の縁(現在の日本列島)に付加しました。それが美濃帯堆積岩類です。
砂や泥の混じったものが海底の斜面で混濁流となって流れ込む時、粒子が粗い砂は下に、その上に粒子の細かい泥が堆積します。それが何回も繰り返すことによって、砂と泥が縞状になる砂泥互層を形成します。それが固結すると砂岩泥岩互層です。ここの砂岩泥岩互層は、層厚数cm~10cmほどの青灰色をした中粒~細粒砂岩層と、層厚数cm~6cmほどの暗灰色をした泥岩層が交互に堆積しています。
地質図において、この露頭(×地点)は、黄色(Mss)の中にあり、黄色はおもに砂岩からなる地層です。写真が四種類ありますが、上の写真は砂岩層と砂岩泥岩互層が見られる露頭を北東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央左を撮ったものです。ハンマーが置いてある黒っぽい岩石が砂岩泥岩互層で、その上方にあるやや白っぽい岩石が砂岩層です。中下の写真は、上の写真(または中上の写真)のハンマーの位置から右下にかけて北東から撮ったものです(ハンマーの位置は異なります)。中下の写真の右下付近を撮ったものが下の写真です。下の写真は、砂岩泥岩互層のわかりやすい場所を撮ったものです。黒っぽい層は泥岩層で、やや淡褐色の層は砂岩層です。なお、下の写真は「長良川沿いの砂岩、泥岩その4」でも使用しています。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
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