長良川本流沿い露頭編 その166 白鳥町大島橋上流の砂岩層の玉ねぎ状風化 :郡上市白鳥町大島寺内の南の右岸河床露頭(大島橋上流50mほどの右岸河床)

 前回まで10回にわたって飛騨地方の露頭を紹介しましたが、今回からは元に戻って、長良川沿いの露頭を白鳥町から上流へ向かって紹介します。

国道156号を北進し、白鳥町に入ってしばらくすると、右手に大中小学校がありますが、その200mほど手前(南)に西へ進む道路があります。運送会社の北の道路です。左折し、しばらくすると右にお寺があり、そのまま進むと長良川に架かる橋(大島橋)があります。橋の上流側の右岸に岩石が露出しているのが見えます。大島橋を右折して北へ進み、100m弱のところに河原へ下りる石積み+石垣の階段があります。近くに車を止めて、そこを下ります。下りて、下流へ進むと露頭があります。南北に12mほどの露頭ですが、淡灰色~灰色をした砂岩層でできています。その10m先(南東)に褐色を帯びた露頭があり、玉ねぎ状風化が見られる砂岩層です。南北に7mほど、東西に4mほどの露頭です。この露頭を紹介します。

地層や岩石が地表で風化を受け、玉ねぎの皮を剥くように、同心球状の薄殻となって表面から剥離する状況を玉ねぎ状風化(オニオンクラック)と呼びます。このような風化は、節理(割れ目)に囲まれた面の表面から風化を受け、外側から順に剥離し、次第に球状に風化が進行して形成されると考えられています。

地質図において、この露頭(×地点)は、白色(a)の第四紀堆積層の中にありますが、周囲は黄色(Mss)からなっていて、黄色はおもに砂岩からなる地層です。河川や河原の下に広く分布している砂岩層が露出しているのです。写真が五種類ありますが、上の写真は玉ねぎ状風化の露頭を南西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。ハンマーの上方に何ヶ所も玉ねぎ状風化が見られます。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)のハンマー付近を近づいて撮ったものです。中下の写真は、上の写真(または中上の写真)のハンマーの右上にある玉ねぎ状風化を近づいて撮ったものです。下の写真は、北西(上流)へ10mほどの砂岩の露頭を南西から撮ったものです。玉ねぎ状風化が見られる露頭は、下の写真の右上に写っています。スケールとして置いてあるハンマー、定規の長さはそれぞれ約28cm、約17cmです。中上と真中の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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