飛騨地方の露頭編 その1 丹生川町白井の宗関滝(層状チャート):高山市丹生川町白井の宗関滝
今後、飛騨地方の露頭についても、紹介していこうと思います。10回連続で飛騨地方の露頭について載せますが、まず4回にわたって、高山市丹生川町から飛騨温泉郷平湯にかけて見られる滝を紹介します。
高山市丹生川町の白井には、現在は廃校(2007年閉校)ですが、旧丹生川東小学校の校舎があります。近くに車を止め、国道158号に出て、北東に向かいます。100m強進むと、東へ入る道がありますので、そちらへ進み、途中で小八賀川を渡る橋(宗関橋)を渡ると、突き当りに「宗関滝」の看板があります。右に150mほど進むと宗関滝があります。3段の滝で、チャートからなっています。
チャートは、ガラス質の殻をもった微生物(放散虫など)の遺骸が深海底に堆積し、固まったものです。ガラス質のものがくっつき、固まったものであるため硬く、砂岩や泥岩と比べると浸食されにくい岩石です。しかし、ガラスが割れやすいようにもろい面もあります。表面から風化するというより、直方体でくずれることが多いです。チャートは硬いですが、縦横に割れ目が入っていて、割れ目からくずれるのです。硬くてもろいものが付加体として陸地にくっつき、プレートの動きにしたがって、外から力を受け続けていることで割れ目が多く入っていると考えられます。そのため、階段状の地形をなし、滝を形成することが多いようです。地質図によると、この滝は、玄武岩質火山岩類(緑色岩)や石灰岩の中に小規模に分布するチャートの中に形成されているようです。
地質図において、前述しましたがこの滝(×地点)は、緑色(Mbs)と青色(Mlm)が分布している中に小規模に分布するオレンジ色(Mch)の中にあります。オレンジ色はおもにチャートからなる地層、緑色はおもに玄武岩質火山岩類(緑色岩)からなる地層、青色はおもに石灰岩からなる地層です。いずれも美濃帯堆積岩類です。写真が四種類ありますが、上の写真は宗関滝を北東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。中下の写真は滝の右側を撮ったもので、下の写真は中下の写真の中央下を撮ったものです。遠くから眺めても、層状チャートからなっているのがわかります。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
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