飛騨地方の露頭編 その3 丹生川町旗鉾銚子の滝(層状チャートと丹生川火砕流堆積物) :高山市丹生川町旗鉾の銚子の滝

 高山市丹生川町から飛騨温泉郷平湯にかけて見られる滝の3つ目は、旗鉾の銚子の滝です。国道158号を東進すると、丹生川町の旗鉾で「銚子の滝」の案内標示板がありますので、そこを左折し1kmほど進むと、駐車場があります。歩いて5分ほど進むと、銚子の滝があります。水の落ち口は狭く、滝の上部で段があるところから酒を入れる銚子に形が似ているということで名前がついたようです。現在はあまり銚子に見えませんが、昔は銚子によく似ていたとのことです。

地質図によると、銚子の滝は美濃帯堆積岩類であるチャート層と、その上に載る丹生川火砕流堆積物の境界付近にあります。実際に、滝の壁の多くはチャートで、段の上は丹生川火砕流堆積物のようです。滝の左側の壁は、離れて見ても層状チャートが垂直に近い状態で露出しているのがわかります。

 地質図において、前述しましたがこの滝(×地点)は、チャートからなる地層(オレンジ色(Mch))と丹生川火砕流堆積物(うす茶色(YHn))の境界付近にあります。周辺に分布する灰色(Mmx)、うす茶色(Mal)、緑色(Mbs)、青色(Mlm)、茶色(KMp)、まる印の入った茶色(Ftb)は、それぞれ美濃帯堆積岩類のメランジュ、砂岩泥岩互層、玄武岩質火山岩類、石灰岩、および上宝火山起源の上宝火砕流堆積物、福地凝灰角礫岩層です。写真が四種類ありますが、上の写真は銚子の滝を南から横長で撮ったもので、中上の写真は滝の部分を同じ場所から撮ったものです。中下の写真は同じく滝の部分を縦長で撮ったものです。下の写真は滝を南東から横長で撮ったもので、滝の左側の壁が層状チャートでできているのがわかります。層状チャートが垂直に近い状態になっているのがわかると思います。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)






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