長良川本流沿い露頭編 その181 白鳥町前谷の溶結凝灰岩、本質レンズ(白鳥流紋岩) :郡上市白鳥町前谷の前谷川との合流部右岸露頭(前谷川に架かる前谷橋の15mほど東)

 郡上市白鳥町歩岐島を北進すると、長良川を渡る歩岐島大橋がありますが、その手前を左斜めに進むと石徹白地区や阿弥陀ヶ滝方向へ行きます。左斜めの道へ入り、古い橋(前谷橋)を渡って少し進むと、石徹白(県道314号)の表示板があるので左折します。近くに車を止め、空き地の川沿い(長良川の支流の前谷川)から川へ下り、前谷川の左岸を通り東へ向かい、前谷橋の下を通り抜けると露頭へ行けます。この露頭は溶結凝灰岩からなり、本質レンズが場所によっては多く含まれているのがわかります。ここの溶結凝灰岩は、淡緑灰色~淡紫灰色をしていて、1mm~数mmの石英とカリ長石が点在しています。

本質レンズは、前回でも述べたように、溶結凝灰岩の中でレンズ状になったものを指しますが、火砕流の中に含まれている軽石などがもとになっています。火砕流の規模が大きいと、自身の熱と自身の重さで堆積面に垂直に圧縮されてしまいます(このことを溶結と呼びます)。特に軽石は、火山ガスが入っていた穴の部分がつぶれてペチャンコになってしまいます。横(堆積面に対して側方)から見るとレンズ状に見えるため、本質レンズと呼びます。この露頭では、横から見た本質レンズだけではなく、上(堆積面に垂直方向)から見たものもあります。

地質図において、この溶結凝灰岩の露頭(×地点)は、黄土色で横線あり(SR)の中にあって、黄土色で横線ありは白鳥流紋岩火山岩類です。写真が五種類ありますが、上の写真は溶結凝灰岩の露頭を北からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。上と中上の写真に写っている露頭には、横方向に何本か平行に割れ目(節理)が見られます。その割れ目の面は北北西-南南東~北西-南東を軸として、西南西~南西に5°~10°傾いていますが、水平に近いです。その割れ目の面と平行に本質レンズが伸びています。そのため、割れ目の面は堆積方向と同じであると思われます。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマーの右約1mで少し下のところを北西から近づいて撮ったものです。本質レンズが見えます。つぶれた軽石を横から見たもので、写真の縦は3cmです。中下の写真は、上の写真(または中上の写真)の露頭から東下へ7mほどのところを西上から撮ったものです。本質レンズを上から見たもので、緑灰色~暗緑灰色をしていて、長径3cm~7cmで、短径1cm~4cmの不定形のものが多く、最大は22cm×7cmのものです。下の写真は、その最大の本質レンズを近づいて撮りました。スケールとして置いてあるハンマー、定規の長さは、それぞれ約28cm、約17cmです。中上の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下部の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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