長良川本流沿い露頭編 その184 高鷲町鮎走観音橋上流左岸の溶結凝灰岩(白鳥流紋岩) :郡上市高鷲町鮎立鮎走の観音橋上流左岸露頭(観音橋100mほど上流)

 前回「長良川本流沿い露頭編その183」で紹介した露頭の北東約50m(対岸)に見られる溶結凝灰岩の露頭を紹介します。観音橋を東へ渡り、脇を下り、左岸沿いを上流へ向かって歩き、露頭へ向かいます。ここの溶結凝灰岩は、淡緑灰色をしていて、緑灰色の本質レンズも見られます。本質レンズは、幅5mm~1cmで、長さ数cmのものが多いです。確認できた最大のものは、幅1cmで長さ6cmです。本質レンズのつぶれた方向から溶結凝灰岩の堆積面を測ると、北東-南西~東北東-西南西を軸として、南東~南南東に20°~25°傾いています。

溶結凝灰岩は、火山灰や軽石などの火山からの噴出物が堆積した後、自らの重さと熱によって、含まれているガラス分が軟化し圧縮されることによって、硬くなった岩石です。自らの重さと熱によって、含まれているガラス分が軟化し圧縮され硬くなる現象を溶結と呼びます。火砕流堆積物でも、自らの重さや熱によっては溶結していない岩石もあります。溶結は岩石をうすく削って、顕微鏡で観察することによって確認できるのですが、肉眼でも確認できる場合があります。それが、本質レンズの有無です。本質レンズは、中に入っている軽石(本質物)が溶結によって、やわらかくなりつぶされてレンズ状になっているものです。溶結していない場合は、軽石はつぶされることなくそのまま岩石の中に入っています。そのため、本質レンズの有無が溶結凝灰岩であることの一つの証拠となるのです。

地質図において、この溶結凝灰岩の露頭(×地点)は、黄土色で横線あり(SR)の中にあって、黄土色で横線ありは白鳥流紋岩火山岩類です。周囲にある黄色(AT)、茶色で斜線ありは、それぞれ阿多岐層と呼ばれる湖沼性の堆積物、大日ヶ岳火山の噴出物です。写真が五種類ありますが、上の写真は溶結凝灰岩の露頭を南からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマーの下の白っぽくなっている部分を近づいて撮ったものです。緑灰色で長細く写っているものは本質レンズです。中下の写真は、真中の写真の中央少し左をより近づいて撮ったものです。写真の縦は10cmです。下の写真は、中上の写真の露頭から南へ10m弱のところにある露頭を北からパノラマで撮ったものです。中央右上に写っている露頭(対岸)は前回紹介した露頭です。スケールとして置いてあるハンマー、定規の長さは、それぞれ約28cm、約17cmです。中上の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下部の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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