長良川本流沿い露頭編 その187 高鷲町郡上谷橋上流の溶結凝灰岩、本質レンズ(白鳥流紋岩) :郡上市高鷲町鮎立の郡上谷橋上流50m右岸露頭

前回「長良川本流沿い露頭編その186」で紹介した露頭の近くに架かっている郡上谷橋の上流には、両岸にいくつか露頭が見られます。今回を合わせて4回で紹介します。郡上谷橋の右岸側(北西側)から上流に向かって小道があります。途中で川へ下りる階段がありますので下りて、橋から50mほど上流のところに露頭があります。周辺は人工的に大きな石が積み上げられています。その間に溶結凝灰岩の露頭があります。対岸(左岸)にも溶結凝灰岩の露頭が見られます。ここ(右岸側)の溶結凝灰岩は淡青緑灰色で、1mm~数mmの石英とカリ長石、1mm前後の斜長石が含まれています。風化面で本質レンズがいくつも見える場所があります。

本質レンズは、溶結凝灰岩の中に入っているレンズ状のものを指しますが、火砕流堆積物の中に含まれている軽石などがもとになっています。火砕流によって運ばれた軽石は、火砕流堆積物の熱と重さで堆積面に垂直に圧縮され(この現象を溶結と呼ぶ)、火山ガスが入っていた穴の部分がつぶれてペチャンコになってしまいます。この露頭では、堆積面に垂直方向から見たものがいくつかあります。溶結凝灰岩は、大規模な火砕流がもとになってできた岩石であるため、岩石に含まれている鉱物は激しい火山噴出によって破砕され、破片状になっています。しかし、本質レンズ中の鉱物は軽石によって守られるため、破片状になっていなく、やや大きいです。

 地質図において、この溶結凝灰岩の露頭(×地点)は、黄土色で横線あり(SR)の中にあって、黄土色で横線ありは白鳥流紋岩火山岩類です。周囲にある黄色(AT)、茶色で斜線ありは、それぞれ阿多岐層と呼ばれる湖沼性の堆積物、大日ヶ岳火山の噴出物です。写真が五種類ありますが、上の写真は溶結凝灰岩の露頭を南東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマーの下方を南から撮ったもので、つぶれた状態の本質レンズがわかります。つぶれた軽石を上から(堆積面の垂直に近い方向から)見たものです。ここで見られる本質レンズは、小さいものは数cm径で、一番大きいものは11cm×9cmです。中下の写真は、その一番大きな本質レンズを近づいて南から撮ったものです。定規の右5cm~15cmにある周囲と色が違う丸っこい部分が本質レンズで、本質レンズの中の鉱物の粒が周囲の鉱物と比べてやや大きいのがわかると思います。下の写真は、対岸(左岸)で見られる溶結凝灰岩を南西から撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、定規の長さは、それぞれ約28cm、約17cmです。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下部の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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