長良川本流沿い露頭編 その188 高鷲町郡上谷橋上流の溶結凝灰岩(白鳥流紋岩)中の貫入岩 :郡上市高鷲町鮎立郡上谷橋上流130mほど左岸露頭

 郡上谷橋を北西から南東へ渡り、左岸沿いに細い道がありますので上流に向かって歩きます。130mほど進むと、溶結凝灰岩の露頭もありますが、それに接して溶結凝灰岩とは見かけが異なり、暗緑灰色をして、三角形や四角形の割れ目(節理)が見られる露頭が広がっています。

この露頭は、溶結凝灰岩とそれに接して分布する貫入岩(安山岩)です。溶結凝灰岩は淡緑灰色をしていて、1mm~数mmの石英が点在しているのは確認できますが、表面は汚れていて本質レンズはわかりません。貫入岩は暗緑灰色をしていて、1mm以下の斜長石が点在しているのが確認でき、安山岩だと思います。表面には、一辺が30cm~1mの三角形や四角形の割れ目が見られます。節理の断面を見ているのだと思います。溶結凝灰岩と貫入岩(安山岩)の境界面はわかりにくい部分もありますが、北北西-南南東を軸として、西南西に70°ほど傾いています。

地質図において、この露頭(×地点)は、黄土色で横線あり(SR)の中にあって、黄土色で横線ありは白鳥流紋岩火山岩類です。貫入岩(安山岩)は表現されていません。周囲にある黄色(AT)、茶色で斜線ありは、それぞれ阿多岐層と呼ばれる湖沼性の堆積物、大日ヶ岳火山の噴出物です。貫入岩は大日ヶ岳火山の噴出物に関連したものだと考えられます。写真が五種類ありますが、上の写真は貫入岩と溶結凝灰岩の露頭を北からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央付近を撮ったものです。ハンマーのある位置は貫入岩ですが、数10cm右に境界部があります。真中の写真は貫入岩(安山岩)を西からパノラマで撮ったもので、中下の写真は真中の写真の中央部を撮ったものです。割れ目が縦や横に入っているのがわかると思います。下の写真は貫入岩(安山岩)の割った面を接写したものですが、写真の縦は2.5cmです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下部の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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