長良川本流沿い露頭編 その198 高鷲町国道156号沿い夫婦滝(安山岩質溶岩) :郡上市高鷲町西洞の夫婦滝(ひるがの高原手前の国道156号大きなカーブの奥(北))

 一昨年の10月11日「長良川の安山岩」で紹介している夫婦滝について、再度紹介します。郡上市高鷲町を国道156号で北進すると、ひるがの高原に入る前に大きな逆S字カーブがあり、右カーブに夫婦滝の表示板があります。駐車するスペースがありますので、車を停めて、奥へ(北へ)進むと二条に分かれた滝が見えます。これが夫婦滝です。入口付近にある表示板には、落差が約17mとなっています。

夫婦滝の周辺を見ると、滝の上部2/3と下部1/3のところでは岩石が違うのがわかります。上部2/3は安山岩質溶岩からできていて、下部1/3は角礫が入った岩石(火山砕屑岩)からできています。溶岩は浸食しにくい岩石で、火山砕屑岩は浸食しやすい岩石です。火山砕屑岩というのは、火山から噴出された火山灰や火山礫、溶岩が壊れた火山岩塊などといった固形物が固まった岩石です。浸食しにくい溶岩層の下に、浸食しやすい火山砕屑岩層が堆積しているため、下部の方が先に浸食し、上部がくずれるなどして急崖が形成され、そこが滝となっています。

地質図において、夫婦滝(×地点)は茶色で斜線ありの中にあって、茶色で斜線ありは大日ヶ岳火山の噴出物です。主に、安山岩質溶岩、火山砕屑岩が分布します。周囲にある白色(a)、うす空色の中に記号(a2)は、いずれも第四紀の堆積物です。また、黄土色で横線あり(SR)、黄色(AT)、茶色(VK3)は、それぞれ白鳥流紋岩、阿多岐層と呼ばれる湖沼性の堆積物、烏帽子・鷲ヶ岳火山の噴出物です。写真が五種類ありますが、上の写真は夫婦滝を南から縦長で撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を南南西から撮ったものです。滝の上部の黒っぽく写っているところには溶岩が分布し、下部の明るく写っているところには火山砕屑岩が堆積しています。真中の写真は滝を南から撮ったもので、中下の写真は滝の左下の火山砕屑岩の部分を中心にして撮ったものです。下の写真は安山岩質溶岩の割った面を接写したもので、写真の縦は2.3cmです。1mm前後の白い粒(鉱物)は斜長石です。真中と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下部の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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