長良川本流沿い露頭編 その200 高鷲町ひるがの叺谷の溶結凝灰岩(白鳥流紋岩) :郡上市高鷲町ひるがの叺谷(かますだに)の左岸河床露頭

 国道156号で南からひるがの高原に入ると、分水嶺公園の10mほど手前に左へ入る道があります。そこを左折し、200m強進んだところをさらに左折し、2050mほど道なりに進むと叺谷に架かる橋があります。途中、左折したところから1800mほどの左側には叺浄水場があります。橋の近くに車を止め、「長良川源流」の石碑の左側から川へ下ります。両岸に露頭があり、上の写真は左岸河床露頭です。地質図では、大日ヶ岳火山の噴出物が分布することになっていますが、この露頭は大日ヶ岳火山の噴出物の下に分布する溶結凝灰岩(白鳥流紋岩)です。ここの溶結凝灰岩は全体的に風化していて、褐灰色の部分が多く見られます。割っても新鮮な面が出てきません。1mm~5mmの石英が点在しているのがわかります。本質レンズはわかりません。

地質図において、前述したように、この叺谷沿いの露頭(×地点)は、茶色で斜線あり(大日ヶ岳火山の噴出物)の中にありますが、その噴出物の下に分布する黄土色で横線あり(SR)の白鳥流紋岩が露出しています。岩石は溶結凝灰岩です。周囲にある白色(a)、うす空色の中に記号あり(a2)は、いずれも第四紀の堆積物です。また、黄色(AT)、茶色(VK3)は、阿多岐層と呼ばれる湖沼性の堆積物、烏帽子・鷲ヶ岳火山の噴出物です。写真が五種類ありますが、上の写真は溶結凝灰岩の露頭を東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。中下の写真は溶結凝灰岩の割った面を接写したもので、写真の縦は2.3cmです。下の写真は橋の脇にある石碑を撮ったもので、「長良川源流」と記されています。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と真中の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下部の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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