長良川鉄道沿いの地形・地質編 その6 湯の洞温泉口駅近辺で見える美濃市立花地区の還流丘陵 :湯の洞温泉口駅~洲原駅間、湯の洞温泉口駅近辺と出発後50秒ほど、左車窓より

 長良川沿いには、還流丘陵が見られる場所が何箇所かあります。還流丘陵は、かつて川が曲流して流れ、その後ショートカットしたため、旧河道と新河道にはさまれ小山として残った地形です。長良川鉄道沿線でも見られ、3年前の10月19日長良川鉄道の車窓からみた岩石その5(郡上市美並町根村)」、同じく10月29日長良川鉄道の車窓からみた岩石その12(郡上市八幡町西乙原)」で紹介しました。板取川沿いでも、3年前の11月23日「板取川沿いの岩石その5(関市洞戸大野ほか:還流丘陵)」で紹介したように見られます。

美濃市立花地区にも、長良川の右岸側(西側)に還流丘陵があります。還流丘陵は、上述したように現在流れている河川の流路と、かつて流れていた河川の流路に囲まれている丘陵(小山)です。河川は真っ直ぐに流れるものだと考えがちですが、曲がりくねって流れる(蛇行と呼ぶ)のが本来の姿です。長良川本流の大部分は、美濃帯堆積岩類と呼ばれる岩石の中を流れています。美濃帯堆積岩類は付加体堆積物であるため、チャートのような浸食に強い岩石と、泥岩や砂岩のような浸食にそれほど強くない岩石が接して分布しているところがあります。一概には言えませんが、浸食しにくいチャート層より、浸食しやすい部分(泥岩層や砂岩層など)を主に削りながら曲がりくねって河川は流れます。しかし、曲がり方が大きくなると、流路はショートカットしてもとの流路につながってしまいます。そうすると、蛇行部分が流路から切り離されることになります。その結果、曲がった流路の跡が低地となり、残った部分が丘陵となります。そのため、残った還流丘陵は、浸食しにくいチャート層でできていることが多いです。

地質図において、黄色(Mss)はおもに砂岩からなる地層で、オレンジ色(Mch)はおもにチャートからなる地層です。赤丸に囲まれた部分が立花地区の還流丘陵です。チャートでできているのがわかります。写真が四種類ありますが、上の写真は湯の洞温泉口駅を出発した直後(数秒後)に左車窓から撮ったもので、中上の写真は湯の洞温泉口駅を出発後50秒ほどのところで左車窓からやや後方を撮ったものです。立花地区の還流丘陵は、長良川鉄道の車窓からは短い時間しか見ることができません。郡上市美並町根村地区、郡上市八幡町西乙原地区の還流丘陵は、列車内からしばらく見え、またはっきりと見える地点があります。中下と下の写真は、湯の洞温泉口駅の西方にある立花橋(長良川に架かる橋)から還流丘陵を撮ったものです。この二種類の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。還流丘陵がよくわかると思います。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)






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