長良川鉄道沿いの地形・地質編 その13 八坂駅~みなみ子宝温泉駅間の鉄橋(第二長良川橋梁)から見える花崗斑岩と混在岩(長良川左岸側) :八坂駅~みなみ子宝温泉駅間、八坂駅から出発して30秒ほど(第二長良川橋梁の上)、左車窓より

 前回「長良川鉄道沿いの地形・地質編その12」では、右車窓から見える珪質粘土岩等を紹介しました。ほぼ同時刻(八坂駅から出発して30秒ほど)に列車の左車窓から外を眺めると、赤い橋(勝原橋)と長良川左岸沿いに黒っぽい岩や白っぽい岩が露出しているのが見えます。これらの岩(露頭)については、3年前の9月8日「長良川沿いのメランジュその3」、9月29日「長良川沿いの花崗斑岩その3」、一昨年の12月26日「長良川本流沿い露頭編その65」で紹介しました。黒っぽい岩は混在岩で、やや白っぽい岩は花崗斑岩です。

黒っぽく見える混在岩は、メランジュからなる地層中に特徴的な岩石です。基質である黒っぽい泥岩の中に、砂岩やチャートなどのさまざまな大きさの礫(岩塊)が入っています。この長良川左岸に見られる露頭では、暗灰色~黒色の泥岩の中にさまざまの大きさの砂岩の礫(岩塊)が入っています。大きいものとしては、4m×1.5m×1.5mほどの砂岩も入っています。「中上の写真」のハンマーのうしろに写っている岩石です。また、白っぽく見える花崗斑岩は、1mmほどの長石が点在し、石英も少し見えます。

地質図上に、列車から見た方向が→で表してあります。→の先の周辺には灰色(Mmx)が分布します。灰色は、メランジュからなる地層です。露頭としては花崗斑岩が存在しますが、規模的には大きくないため、地質図には表現されていません。ただし、花崗斑岩(Gp、朱色)は→の少し北には分布していますので、一連のものだと思います。写真が五種類ありますが、上の写真は、鉄橋(第二長良川橋梁)の位置で列車の左車窓から長良川を眺めて撮ったものです。中央上に写っている赤い橋が勝原橋です。鉄橋から勝原橋にかけて、混在岩、花崗斑岩、混在岩が分布しています。中上の写真は、上の写真に写っている手前の方の混在岩を近づいて南(鉄橋側)から撮ったものです。真中の写真は、混在岩を同じく南からより近づいて撮ったものです。黒っぽいのが基質部の泥岩で、灰色の礫が砂岩です。数cmオーダーの砂岩の礫が、黒っぽい泥岩の中に多く入っているのがわかります。このような岩石を混在岩と呼びます。中下の写真は、上の写真の中央右に写っている花崗斑岩の露頭に近づいて同じく南から撮ったものです。下の写真は、河原から鉄橋と列車を撮ったものです。なお、中上と真中、中下の写真は「長良川本流沿い露頭編その65」でも使用しています。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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