長良川鉄道沿いの地形・地質編 その19 福野駅~美並苅安駅間の珪質粘土岩の露頭 :福野駅~美並苅安駅間、福野駅から出発して約1分5秒後から10秒間ほど、左車窓より

 昨年の2月2日「長良川本流沿い露頭編その84」で紹介した珪質粘土岩の露頭を、長良川鉄道の車窓からも見ることができます。福野駅から美並苅安駅に向かって出発後、しばらくするとトンネルに入ります。トンネルを出て、すぐ左車窓の斜め前方を見ると、長良川右岸に上部が黒く、下部が白っぽい岩があります。整備された堤防斜面の下に露出しています。福野駅出発後1分5秒後くらいです。手前の木などで隠れることはありますが、10秒間弱見ることができます。この岩石は、珪質粘土岩だと思われます。この珪質粘土岩の露頭は、南北17mほど、東西10mほどで、長良川沿いに独立して露出しています。長良川鉄道の車窓からだけではなく、国道156号からも見ることができます。

珪質粘土岩は粘土鉱物からなる岩石で、チャート層に伴って存在し、中に黒色の珪質泥岩をはさむことを特徴としています。ここの露頭において、足元より上の部分は黒色の珪質泥岩が主に露出しています。この黒色珪質泥岩は層状になっていて、灰色~淡青灰色の珪質粘土岩がレンズ状入っています。一方、足元の部分は珪質粘土岩が優勢で、黒色の珪質泥岩が帯状に入っています。

地質図において、この珪質粘土岩の露頭(×地点)はオレンジ色(Mch)の中にあり、オレンジ色はおもにチャートからなる地層です。北には灰色(Mmx)のメランジュからなる地層が広がっています。写真が五種類ありますが、上の写真は福野駅出発後約1分5秒後に左車窓やや前方に見える露頭(赤丸で囲った露頭)を撮ったものです。その数秒後に拡大して撮ったものが中上の写真です。真中の写真は珪質粘土岩の露頭に近づいて東からパノラマで撮ったもので、中下の写真は真中の写真の中央左側を撮ったものです。下の写真は同じ露頭の下部を南から撮ったもので、下方(右側)には、灰色の珪質粘土岩に黒色の珪質泥岩が帯状に入っている(白丸の上部)のがわかります。なお、真中と中下、下の写真は「長良川本流沿い露頭編その84」でも使用しています。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。真中と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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