長良川鉄道沿いの地形・地質編 その26 深戸駅~相生駅間で見られる西乙原地区の還流丘陵 :深戸駅~相生駅間、深戸駅から出発して3分40秒~4分後、左車窓より

 3年前の10月28日「長良川鉄道の車窓からみた岩石その12」で紹介した八幡町西乙原地区の還流丘陵を再度紹介します。長良川鉄道下りにおいて、深戸駅を出発してから3分40秒~4分後くらいに左車窓に還流丘陵(一つの小山)が見えます。以前と比べると、還流丘陵の山林が成長しているので、丸っこい小山のような感じではなくなってしまいました。

還流丘陵は、現在流れている河川の流路と、かつて流れていた河川の流路に囲まれている丘陵です。「長良川鉄道沿いの地形・地質編その6、16」でも還流丘陵を紹介しました。チャートなどの浸食に強い部分があると、浸食しやすい部分(泥岩や砂岩など)をおもに削りながら曲がりくねって川が流れます。しかし、曲がり方が大きくなると、流路はショートカットしてもとの流路につながってしまうことがあります。そうすると、蛇行部分が流路から切り離されることになります。その結果、曲がった流路の跡が低地となり、削り残った部分が丘陵となります。

地質図において、この還流丘陵(赤丸)は灰色(Mmx)で表されていて、灰色はメランジュからなる地層です。メランジュは、基質である泥岩の中に大小さまざまな礫や岩塊を含む地質体です。還流丘陵に近づいてみると、層状チャートが数箇所で確認できます。チャートの巨大な岩塊からなっているのかもしれません。写真が三種類ありますが、上の写真は深戸駅出発後3分40秒ほどたった時に列車の左車窓から撮ったものです。中と下の写真は、国道156号沿いで撮った写真です。中の写真は南から、下の写真は東から撮りました。中と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)





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