長良川鉄道沿いの地形・地質編 その38 郡上大和駅~万場駅間の平地の広さ :郡上大和駅~万場駅間、郡上大和駅出発後約1分30~40秒後、左右車窓より

長良川鉄道において、美濃市の「湯の洞温泉口駅」~郡上市大和町の「徳永駅」の間は、おもに長良川沿いを通ります。ただし、川は蛇行しているため、それを避けるため橋で長良川を渡ったり、ショートカットをしてトンネルで通過したりしています。そのため、車窓から見える景色は変化に富んだものとなり、長良川やいろいろな山の姿、河床の岩(露頭)など自然の景観を眺めながらの旅となります。

郡上市大和町の「徳永駅」から北は、平地が割合広く、長良川をほとんど望むことができず、長良川の近くを通過しても、または鉄橋で横切っても、露頭はなかなか見られません。河川の上流は一般的には川幅が狭く、平地も狭いと思われがちですが、長良川沿いにおいては上流の大和町の方が、下流側にある八幡町、美並町よりも一定の幅の平地が連続しています。上の地質図は、美濃市の「湯の洞温泉口駅」~郡上市大和町の「万場駅」周辺の地質図です。「湯の洞温泉口駅」~「徳永駅」にかけて、特に「湯の洞温泉口駅」~「郡上八幡駅」にかけては、長良川は蛇行をしていて、灰色やオレンジ色、黄色、緑色などいろいろな岩石が分布しています(灰色:メランジュ、オレンジ色:チャート、黄色:砂岩、緑色:玄武岩質火山岩類)。しかし、「徳永駅」~「万場駅」にかけては、白色やうす空色の平地をつくっている堆積物以外は、黄色(砂岩)一色です。このような地質の違いが、川の蛇行や平地の広さを決めています。

地質図が2種類ありますが、上の地質図は上述したように、長良川鉄道の「湯の洞温泉口駅」~「万場駅」に沿っての地質図です。「郡上八幡駅」あたりを境にして、南側と北側の地質の違いが色によってわかると思います。下の地質図は、「郡上大和駅(下りにおいて、「徳永駅」の次の駅)」~「万場駅」にかけて、周辺の地質を示したものです。白色(a)、うす空色で中に記号あり(a2)は第四紀の堆積物で、平地をつくり出している堆積物です。それらの堆積物の下や周辺は大部分が黄色(Mss)で、おもに砂岩からなる地層です。写真が二種類ありますが、下の地質図の赤丸付近を長良川鉄道の車窓から撮ったものです。上の写真は、「郡上大和駅」を出て1分30秒ほどたったところで、右車窓から東側を撮りました。下の写真は、「郡上大和駅」を出てから1分40秒ほどたったところで、左車窓から西側を撮ったものです。平地の広さがわかると思います。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)





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