長良川鉄道沿いの地形・地質編 その39 郡上大和駅~万場駅間の鉄橋上流左岸の砂岩層 :郡上大和駅~万場駅間、郡上大和駅出発後約2分30秒後、右車窓より
昨年の7月20日「長良川本流沿い露頭編その160」で紹介した長良川鉄道橋梁の上流の左岸の露頭が、長良川鉄道の車窓から見えますので紹介します。上の写真の赤丸で囲まれた露頭で、南北10mほど、東西7mほど、高さ4mほどの砂岩層です。淡灰色をしたおもに中粒砂からなる砂岩層で、5mm以下の泥質岩片が点在もしくは多く入る部分があります。岩片の径が1cmを超えるものもあります。
美濃帯堆積岩類中の砂岩層は、河川によって陸地から海洋へ運ばれた砂がもとになっています。美濃帯堆積岩類には、砂岩や泥岩などのように岩石が細かく砕かれた砕屑物の他に、玄武岩質火山岩類や石灰岩、チャート、珪質泥岩などがあります。玄武岩質火山岩類や石灰岩、チャート、珪質泥岩などは、海洋で噴出したり堆積したりしたものですが、それらは海洋プレートにのって陸地側へ移動し、大陸の縁(現在の日本列島)に付加しました。そして、陸地から海洋へ運ばれた砂などの砕屑物も一緒に付加しました。そのため、美濃帯堆積岩類の中では、砂岩(泥岩も含む)が一番新しい堆積物です。
地質図において、この露頭(×地点)は黄色(Mss)の中にあり、黄色はおもに砂岩からなる地層です。写真が四種類ありますが、上の写真は長良川鉄道下りにおいて、郡上大和駅を出て2分30秒ほどたったところで長良川を渡りますので、その時に右車窓から撮ったものです。中上の写真は、上の写真の赤丸で囲まれた露頭に近づいて、東からパノラマで撮ったものです。左側には、長良川鉄道の橋梁が写っています。中下の写真は中上の写真の中央部を撮ったもので、下の写真は中上の写真(または中下の写真)に写っているハンマー付近をより近づいて撮ったものです。中上と中下の写真は、「長良川本流沿い露頭編その160」でも使用しています。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中下と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
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