長良川鉄道沿いの地形・地質編 その41 美濃白鳥駅~白鳥高原駅間の平地 :美濃白鳥駅~白鳥高原駅間、美濃白鳥駅出発後約2分後、両車窓より

 長良川鉄道は、美濃市「湯の洞温泉口駅」から終点の郡上市白鳥町「北濃駅」にかけて長良川に沿って山地の中を走っています。地質図を見ると、「湯の洞温泉口駅」から「郡上八幡駅」までは灰色、オレンジ色、黄色、緑色、空色、青紫色、ピンク色などいろいろな色が見られます。岩質の異なる岩石が混じりながら分布しています。しかし、「郡上八幡駅」より北の長良川沿いには、限られた色しか見られません。特に「郡上大和駅」から「万場駅」の間は黄色のみが、「美濃白鳥駅」から「白鳥高原駅」の間は黄土色で横線ありのみが分布しています。黄色はおもに砂岩からなる地層(美濃帯堆積岩類)で、黄土色で横線ありは白鳥流紋岩です。「郡上大和駅(大和町)」から「万場駅(大和町)」の間(以降「大和地区」と表現)の平地については、「長良川鉄道沿いの地形・地質編その38」に載せました。

「美濃白鳥駅(白鳥町)」から「白鳥高原駅(白鳥町)」の間(以降「白鳥地区」と表現)も、大和地区と同じように長良川沿いに同じくらいの幅で平地が広がっています。大和地区も白鳥地区も分布する岩石が一種類であり、浸食の度合いが同じであるため同じくらいの幅で谷が形成され、そこを堆積物が埋めているため平地の幅が一様であると思われます。しかし、白鳥地区は大和地区と比べると平地の幅が狭いです。平地の幅が狭いのは、大和地区はおもに砂岩からなり、白鳥地区はおもに白鳥流紋岩(火山岩類)からなるという岩質の違いと、長良川の水量の違いが反映していると考えられます。長良川は白鳥町で支流の牛道川と合流するため、上流の白鳥地区より下流の大和地区の水量が多くなります。

地質図が三種類、写真が二種類あります。上の地質図は湯の洞温泉口駅(美濃市)から北濃駅(白鳥町)の間の地質図で、真中の地質図は白鳥地区を拡大したもの、下の地質図は大和地区を拡大したものです。真中と下の地質図は、縮尺は同じです。平地は白色、またはうす空色の中に記号ありで示されていますが、白鳥地区の平地が大和地区の平地より幅が狭く、両方とも幅はほぼ一様であることがわかります。

真中の地質図の赤丸で囲った部分を列車の中から撮ったものが上と下の写真で、上の写真は白鳥駅を出発して約2分後に左車窓から西を、下の写真は白鳥駅を出発して約2分5秒後に右車窓から東を撮ったものです。線路の両側に平地が広がっているのがわかります。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)






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