長良川鉄道沿いの地形・地質編 その43 白山長滝駅~北濃駅間から見える大日ヶ岳 :白山長滝駅~北濃駅間、白山長滝駅出発直後~約1分弱後、右車窓より前方を望む

 白山長滝駅を出ると、終点北濃駅まで2分30秒ほどです。白山長滝駅を出て直後から約1分弱の間、前方に高い山が見えます。大日ヶ岳です。大日ヶ岳について、今まで直接は紹介していませんが、一昨年の6月29日「県内美濃地方編その62」、昨年の12月21日、25日「長良川本流沿い露頭編その197、198」で紹介した阿弥陀ヶ滝、駒ヶ滝、夫婦滝は、大日ヶ岳を構成する火山岩類にかかる滝です。

大日ヶ岳(標高1709m)は、大日ヶ岳火山岩類と呼ばれる火山噴出物で構成されており、直径約10km、比高約800mのおおよそ円錐形の山体をつくっています。大日ヶ岳火山岩類はおもに溶岩層からなり、調査によって約30枚の溶岩層が識別されているようです。また、形成年代も調べられていて、下部の溶岩層からは約160万年前、最上部の溶岩層からは90万~106万年前という年代値が得られています。このように第四紀の更新世前期に形成された古い火山岩類であるため、火口の跡が残っていないだけではなく、明瞭な火山地形を残していません。

地質図において、赤色矢印の先の少し上に広がっている茶色で斜線ありが大日ヶ岳の火山岩類です。赤色矢印の周辺にある白色(a)、うす空色の中に記号あり(a2)は第四紀の堆積物、うす黄色(AT)は阿多岐層と呼ばれる湖沼性の堆積物、黄土色で横線あり(SR)は白鳥流紋岩です。写真が五種類ありますが、上の写真は白山長滝駅から北濃駅に向かって出発して約20秒後に列車の右車窓から前方を撮ったものです。地質図の赤色矢印で示しました。大日ヶ岳を南から撮ったものになります。中上と真中、中下、下の写真は、東海北陸自動車道のひるがの高原SAから撮ったもので、地質図の青色矢印で示しました。大日ヶ岳を東から撮ったものになります。中上の写真はパノラマで撮りました。中上と真中、中下の写真は同じ日に撮りましたが、下の写真は晴れた別日に撮りました。真中と中下、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。ただし、大日ヶ岳自体は遠いですので立体的にはなかなか見えません。下の写真は望遠で左と右の写真を数10m離れて撮影しましたので、少しだけ立体的に見えると思います。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







コメント

このブログの人気の投稿

長良川鉄道沿いの地形・地質編 その45 「ジオ鉄」って何?

都市(名古屋)で見られる化石 その14 :アンモナイトの化石の断面とドーナツの断面

都市(名古屋)で見られる化石 その7 :名古屋駅近辺ミッドランドスクエア3階の壁の厚歯二枚貝、柱のサンゴ