長良川下流沿いの地形と設備 その1 :岐阜市中川原付近の長良川扇状地(扇頂部)

 これまで、長良川沿い、および長良川鉄道沿いの地形や地質の紹介をしてきました。しかし、露頭は主に関市、美濃市より上流しか見られないため、長良川沿いの地質紹介と言いながら、岐阜市周辺より下流については載せてきませんでした。今回から数回にかけて、岐阜市より下流の長良川について紹介したいと思います。岐阜市周辺より下流は第四紀の新しい堆積物が載っているため、その下の地質は見られませんが、長良川に関わる地形や長良川の水害を防ぐ施設などを紹介します。これらについては、HP「ジオランドぎふ」の「見学案内12.長良川下流域の自然立地条件と水害」を参考に作成しています。

 河川が山地部から平地部へ流れ下る時、河川の勾配が緩くなり、上流部から運ばれた土砂は堆積しやすくなります。そのため、山地部と平地部の境に扇を開いた形に堆積物が分布することが多く、扇状地と呼ばれます。長良川は美濃市や関市でも平地が広がり、そこにも堆積するため、その下流にある岐阜市では扇状地があまり発達しているようには見えません。また、岐阜市には長良川本流以外の支流の河川が何本かあり、その堆積物も絡んでいるため、扇状地として認識しにくくなっています。

扇状地は、上述したように、河川の勾配が緩くなることによって、上流から運ばれた土砂が堆積し、広がった地形です。扇状地の最上流部は、堆積物の粒度が粗いという特徴をもち、扇頂と呼ばれます。長良川でいくと、岐阜市中川原付近が扇頂部と考えられ、堆積物の粒度が粗く、水はけが良い場所だと考えられます。岐阜市中川原~雄総の長良川沿いには、ぶどう園が並んでいます。ぶどうの生育には、水はけがよい土地で、日当たりが良く、昼夜の寒暖の差が大きく、成熟期に雨が少ないなどの条件が必要なようです。中川原付近は扇状地の扇頂部ですので、水はけは良く、長良川は東西に流れていますので、長良川右岸側は日当たりが良いです。この点で、ぶどうの栽培に適していると思われます。

地質図において、2本の赤線で挟まれた部分が長良川の扇状地と思われる部分です。うす空色の中に記号あり(a2)が扇状地堆積物を示します。a2は扇状地堆積物だけを示しているわけではありませんが、この場所では扇状地堆積物を示していると考えてよいと思います。写真は2種類ありますが、撮影場所は×点で示してあります。上の写真は×地点から上流方向(東)を望んで撮ったもので、下の写真は×地点から下流方向(西)を望んで撮ったものです。写真では扇状地であることが伝わらないと思いますが、地質図を見れば理解できると思います。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)

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