長良川下流沿いの地形と設備 その5 岐阜県庁から見た長良川と濃尾平野、養老山地 :岐阜県庁20階展望ロビーから西~南西を望む

 令和5年1月に新岐阜県庁舎が開庁され、1~3階、20階が開庁日の午前7:30~午後5:45には、自由に見学することができるようになりました。20階には展望ロビーがあり、ガラス張りで、360°見渡すことができます。県庁舎は、長良川が南西から南へ方向をやや変える場所の近くに建っています。県庁舎付近では、木曽川、長良川、揖斐川が近付きつつあり、地形図で測ると、木曽川と長良川は約6km、長良川と揖斐川は約5kmまで近付いています。木曽川、長良川、揖斐川は、濃尾平野を西に偏って流れ、河口近くでは合流しています。

濃尾平野と西側にある養老山地との境界付近に沿って、北北西-南南東方向に養老断層と呼ばれる活断層が存在します。その断層によって、東の濃尾平野側が沈降し、西の養老山地側が隆起しています。濃尾平野地域は東側(三河高原など)で隆起しているため、平野部全体が西方へ傾く運動(傾動運動と呼びます)をしています。そのため、濃尾平野の断面を見ると、下の図のように第四紀の新しい地層が西に厚く、東に薄く堆積しているのです。この傾動運動は、調査によって約80~100万年前からはじまったと考えられていて、現在も継続しています。その結果、平野へ流れ込んでいる木曽三川などの河川は西方へ偏って流れることになり、上流から運搬される土砂も平野の西部に厚く堆積するのです。

 図は3種類ありますが、上の図は岐阜県庁と木曽三川下流周辺の地質図で、中の図は同じく地質図ですが、地質概要図で第四紀層(うす空色)と美濃帯堆積岩類(灰色)の区別がしてあるだけです。上の図を見ると、南へ進むにしたがって木曽三川が近付いているのがわかります。下の図は南から見た濃尾平野の東西断面の概略図で、灰色が第四紀の地層で、薄茶色がそれ以前の地層や岩塊です。西(左)側に厚く第四紀層が堆積しているのがわかります。なお、下の図は一昨年7月26日の「県内美濃地方編その77西濃地域12」でも使用しています。写真は4種類ありますが、上の写真は西~南西を撮ったもので、中下の写真は南西~南を撮ったものです。中上の写真は上の写真の中央右を、下の写真は中下の写真の右を撮りました。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)








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