板取川沿いの地質、露頭 その2 美濃市牧谷小学校南の河原の石2 :美濃市蕨生下屋敷板取川対岸(右岸)の河原

 板取川は、美濃帯堆積岩類、奥美濃酸性岩類の中を流れ、美濃市の市街地の北で長良川と合流します。そのため、板取川沿いの河原では、美濃帯堆積岩類、奥美濃酸性岩類を構成する岩石が見られます。美濃帯堆積岩類を構成しているのは、砂岩、泥岩、チャート、石灰岩、玄武岩質火山岩類(緑色岩)です。奥美濃酸性岩類を構成しているのは、花崗岩、溶結凝灰岩、凝灰岩、花崗斑岩です。また、美濃帯堆積岩類が奥美濃酸性岩類の高熱によって変成した岩石であるホルンフェルスも見られます。  

前回は、美濃市蕨生下屋敷板取川対岸(右岸)の河原で見られる美濃帯堆積岩類を紹介しました。今回は奥美濃酸性岩類(花崗岩(中上の写真)、花崗斑岩(真中の写真)、溶結凝灰岩(中下の写真))とホルンフェルス(下の写真)を簡単に紹介します。前回も書きましたが、石の説明について詳しく知りたい方は、2021年8月9日~9月8日の「河原の石編 その1~20」を見てください。上の写真は、河原を西から撮ったもので、立体視ができるように2枚の写真が並べてあります。写真の下部の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。地質図(HP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)において、×地点が河原の位置です。

〇花崗岩:わかめご飯のおにぎりのように黒い粒と白い粒、うすピンク色の粒が、同じような大きさで入っています。丸っこい形の石が多いです。6枚の写真がありますが、右下の写真は接写です。(中上の写真)

〇花崗斑岩:かどのとれた箱型から楕円形のものが多いです。無色透明~灰色っぽく見える石英、白色の長石、緑っぽい黒色の黒雲母などが、岩石の中に斑点状に入っています。6枚の写真がありますが、右下の写真は接写です。(真中の写真)

〇溶結凝灰岩:灰色っぽいもの、白っぽいもの、紫色っぽいもの、黒っぽいものなどがあります。長さ数cm以下、幅1cm以下の緑っぽいレンズ状のものが入っている場合があります。このレンズ状のものは、火砕流に含まれている軽石などが圧縮されてできたものです。6枚の写真がありますが、右下の写真は接写です。(中下の写真)

〇ホルンフェルス:泥岩や砂岩などが高い熱によって変成してできた岩石です。泥岩などが熱変成を受けると、硬くなり、割れ口が角ばっているものもあります。また、黒雲母などの新しい細かい鉱物ができるため、やや紫色っぽく見えるものもあります。(下の写真)







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