板取川沿いの地質、露頭 その15 洞戸大野の還流丘陵ほか :関市洞戸大野、市場、飛瀬

 河川は、本来直線的に流れるものではなく、曲がりくねって流れることが多いです(曲流、または蛇行といいます)。平野において、河川が曲流し、その後曲流したところがショ-トカットされ、曲流部が三日月状の水たまりとして残ることがあります。三日月湖と呼びます。それと同じことが長良川、板取川沿いでもありますが、平野ではありませんので、三日月湖として残るのではなく、丘陵(小高い山)と平地がペアになって残っています。残った小高い山を還流丘陵と呼びます。板取川沿いの還流丘陵は2020年11月23日「板取川沿いの岩石その5」で紹介しましたが、再度紹介します。

板取川も長良川と同様で、主に美濃帯堆積岩類の中を流れています。美濃帯堆積岩類は付加体堆積物のため、チャートのような浸食に強い岩石と、砂岩のような浸食にそれほど強くない岩石が隣り合って分布しているところがあります。一概には言えませんが、チャートなどの浸食に強い部分があると、川は浸食しやすい部分(砂岩など)をおもに削りながら曲がりくねって流れます。しかし、曲がり方が大きくなりすぎて、流路(川)はショートカットしてもとの流路につながってしまうことがあります。そうすると、蛇行部分が流路から切り離され、丘陵として残るのです。そして、その残った丘陵部分は浸食に強いチャートなどでできている場合が多いです。洞戸大野においても、丘陵部はチャートでできていて、周囲は砂岩からできています。次回「板取川沿いの地質、露頭その16」で、洞戸大野の還流丘陵の近くに露出する砂岩層を紹介します。

 美濃市から関市洞戸に向かう県道81号美濃洞戸線で美濃市と関市の境界を越し、さらに1.2kmほど進むと、洞戸の大野地区が道路の右(北側)に広がります。中濃消防組合洞戸出張所が右手にありますが、その北西の山が還流丘陵です。還流丘陵は、洞戸大野(赤丸)のほかに洞戸市場(青丸)や飛瀬(緑丸)でも見られます。

地質図において、〇印が還流丘陵です。写真は五種類ありますが、上の写真は下洞戸橋から北東側を望んで大野の還流丘陵を撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央付近を撮ったものです。その還流丘陵に近づいて、南からチャート層を撮ったのが真中の写真です。県道81号沿いにある中濃消防組合洞戸出張所の西に墓地がありますが、その脇でチャート層が見られます。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中下の写真は市場の還流丘陵を東から、下の写真は飛瀬の還流丘陵を南西から撮ったものです。なお、真中の写真は「板取川沿いの岩石その5」でも使用した写真です。中上と中下、下の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、写真の下方にある白丸または黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。 (地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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