板取川沿いの地質、露頭 その18 関市洞戸通元寺のメランジュ1 :関市洞戸通元寺の板取川右岸河床連続露頭

 2020年11月24日付け「板取川沿いの岩石その6」で紹介した洞戸通元寺のメランジュの露頭を再度紹介します。この露頭は、詳しく調査されていて、「市場のメランジュ露頭」として知られていますが、場所としては洞戸通元寺の右岸河床です。

美濃市から関市洞戸に向かう県道81号美濃洞戸線を西進し、関市洞戸に入り、突き当りである関市洞戸事務所前交差点まで進みます。交差点の手前にある橋が洞戸橋ですが、橋から北側を見ると、板取川沿いに岩石が露出しているのがわかります。その場所が紹介する露頭です。交差点を右折して国道256号を300mほど進み、東(右)に延びる細い道(通元寺のバス停のすぐ北の道)を入ります。車を停めて、川原の方に進むと、上流右岸に多くの露頭が広がっています。

美濃帯堆積岩類の中には、地質としての連続性がなく、泥岩などの細粒の基質の中にいろいろな大きさや種類からなる礫や岩塊を含むような地質体が見られます。それを「メランジュ」と呼びます。砂岩・珪質泥岩・チャート・石灰岩・火山岩類(玄武岩質溶岩等)などの礫や岩塊が、泥岩の基質の中に埋められたように含まれている岩石(岩石名としては混在岩としておきます)です。関市洞戸通元寺の板取川右岸には、100mほど連続的に岩石が露出しています。全体としては、黒色の泥岩の中にチャートや珪質粘土岩、砂岩泥岩互層の比較的大きな岩塊を伴っているメランジュです。

写真は五種類ありますが、上2枚(上、中上の写真)は連続露頭の北端に分布するチャート層の変形を、下3枚(真中、中下、下の写真)はチャート層の変形の南に分布する混在岩を撮りました。上の写真は変形したチャート層を北からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央付近を撮ったものです。真中の写真は混在岩の露頭を西からパノラマで撮ったもので、中下の写真は真中の写真の中央付近を撮ったものです。下の写真は、真中の写真(または中下の写真)に写っているハンマーの50cmほど左を近づいて撮ったものです。砂岩やチャートの角ばった、もしくはレンズ状の礫が多く入っているのがわかります。スケールとして置いてあるハンマーと定規の長さは、それぞれ約28cm、約17cmです。中上と中下の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、写真の下の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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