都市(名古屋)で見られる化石 その13 :名鉄名古屋駅改札口(出口)前の柱

名鉄名古屋駅の中央改札口は入口専用と出口専用に分かれていますが、出口専用の前の柱に厚歯二枚貝の化石が見られます。柱の石材は、イタリア産のズベボロイヤル(ペルラートズベボ)です。厚歯二枚貝は中生代の白亜紀に繁栄し、中生代末に絶滅した貝類です。どのような生き物だったかは1月26日の「都市(名古屋)で見られる化石その7」に書いてありますので、見ていただけるとありがたいです。

ビル街の壁や床にはアンモナイトや厚歯二枚貝などの化石が見られることがありますが、アンモナイトや厚歯二枚貝は恐竜と同様に中生代に繁栄した生き物です。そして、恐竜と同様に、中生代末である6600万年前に絶滅してしまいました。人類(ホモサピエンス)は、今から40万~25万年前に誕生したわけですが、アンモナイトや厚歯二枚貝が今から100年前に絶滅したとすると、人類はどのくらい前に誕生したことになるでしょうか。40万年前に人類が誕生したとすると、0.6年前(7ヶ月少し前)となるのです。昨年は関東大震災が起きてからちょうど100年目でしたが、大震災のころにアンモナイトが絶滅したとすると、人類が誕生して7ヶ月少ししかたっていないのです。まだ赤ん坊です。それだけ昔に絶滅した生き物の遺骸(化石)を石材の中に見ているのです。アンモナイトや厚歯二枚貝からすると、人類は地球の住人としては本当に若輩者なのです。化石を見ながら、時間の長さを感じ取っていただけるとよいと思います。

写真は6枚ありますが、いずれも名鉄名古屋駅中央改札口(出口専用)前の柱を撮ったもので、厚歯二枚貝のばらばらになったものが写っています。上の3枚は改札口に向かって左の柱を、下の3枚は改札口に向かって右の柱を撮りました。1番上の写真(左の柱)の青〇の部分を近づいて撮ったものが2番目の写真で、赤〇の部分を近づいて撮ったものが3番目の写真です。下から3番目の写真(右の柱)のオレンジ〇の部分を近づいて撮ったものが下から2番目の写真で、緑〇の部分を近づいて撮ったものが1番下の写真です。化石が多く入っていることがわかると思います。近づいて撮ったものにはスケールが入っていますが、スケールは指などを一緒に撮った写真から長さを読み取ってつけたものですから、正確さはやや欠けます。






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