都市(名古屋)で見られる化石 その21 :栄スカイルエレベーター近くの壁(B2F,B1Fと2F~5F)

栄スカイルの1階のエレベーター周辺は、イタリア産のアウリジーナ・フィオリータという石材で厚葉二枚貝が多く入っています。しかし、他の階のエレベーター周辺の壁は、いずれもウミユリが多く入った石灰岩からできています(石材名はわかりません)。

ウミユリは、「ユリ」という名前がついているため植物のような印象をもちますが、ヒトデやウニの仲間(棘皮動物)です。植物の茎のような一本の長い体の先端に、花弁のような腕を何本も広げたような形をしています。海中のプランクトンなどを捕らえ、餌としています。現在も水質の変化が少ない深海にすみ、体長は35cm~50cmで、生きている化石として知られています。幼体の間は自由に海を泳ぎまわることができますが、成体になると岩などに接着し、固着して生活を営むようです。ウミユリは全体が短い節に分かれているため、化石はそれらがばらばらになり、全形をとどめないことが多いです。日本からも多くの化石が見つかっています。

写真は9枚あります。一番上の写真は5Fのエレベーター近くの壁です。残りの8枚はウミユリの化石に近づいて撮ったもので、左上に何階で撮ったものかを示しました。B2F(上から2枚目)の写真はウミユリの縦断面、3Fの上(上から6枚目)の写真はウミユリの横断面です。スケールを示してありますが、指を一緒に撮った写真から長さを読み取ったものですから、正確さはやや欠けます。










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