都市(名古屋)で見られる化石 その23 :松坂屋南館1(1階入口エレベーター前の床のアンモナイト、7階美術館ロビーの壁・8階マツザカホールロビーの壁の厚歯二枚貝)

 松坂屋南館の7階美術館ロビーの壁、8階マツザカホールロビーの壁には、厚歯二枚貝が所狭しと入っています。この石材は、「都会で見られる化石その7」で紹介したミッドランドスクエアー3階の壁と同じです。イタリア北東部の白亜紀の地層(約80007000万年前)から切り出されたアウリジーナフィオリータと呼ばれる石灰岩です。厚歯二枚貝については「都会で見られる化石その7」で紹介しましたので、そちらを見ていただけるとありがたいです。

南館の1階、入口のエレベーター近くの床には、イタリア産のペルリーノロザートという石材が使われていて、アンモナイトが確認できます。アンモナイトは、化石だけを見ると貝類のように思われがちですが、頭足類と呼ばれるタコやイカの仲間です。古生代に誕生し、中生代末まで大繁栄をしました。そして、中生代白亜紀末(約6600万年前)に恐竜(鳥類は除く)とともに地球上から姿を消しました。見た目似ているオウムガイは、現在まで生き残っています。アンモナイトとオウムガイは似ていますが、化石を見る時に見分け方があります。渦巻状のところに仕切り(隔壁と呼びます)がありますが、アンモナイトは成長方向(軟体部がある方向)に対してふくらんでいますが、オウムガイはへこんでいます。また、渦巻の中心部の巻きはじめの殻(初期室と呼ぶ)がアンモナイトは球状の小さな部屋としてありますが、オウムガイは特にありません。ただし、この違いはアンモナイトの横断面が見られても、隔壁が見にくかったり、断面が中心を通っていなかったりすると、建築石材の中に入っているアンモナイトではわかりにくいかもしれません。

写真は7枚ありますが、いずれも松坂屋南館の写真です。上4枚は8階と7階の壁でアウリジーナフィオリータという石材と厚歯二枚貝、下3枚は1階入口エレベーター前の床でペルリーノロザート(ピンク色の部分)という石材とアンモナイトです。1番上の写真は8階のマツザカホールのロビーの壁で、化石(厚歯二枚貝)が多く入っているのが少し離れていてもわかります。2番目の写真は、同じく8階の壁を近づいて撮ったものです。上から3、4番目の写真は、7階の美術館の出口近くの壁を近づいて撮ったもので、確認できる化石は厚歯二枚貝です。下から3枚目の写真は松坂屋南館の1階エレベーターホールの床を撮ったもので、濃いピンク色の石材がペルリーノロザートです。赤丸の位置を近づいて撮ったものが下から2枚目の写真で、青丸の位置を近づいて撮ったものが1番下の写真です。両方とも、ペルリーノロザートに入っているアンモナイトです。近づいて撮った写真にはスケールが入っていますが、指などを一緒に撮った写真から長さを読み取ってつけたものですから、正確さはやや欠けます。








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