都市(名古屋)で見られる化石 その24 :松坂屋南館2(10階レストラン街エレベーター前の壁の巻貝(ネリネア)・エスカレーター近くの柱の厚歯二枚貝)

 松坂屋南館の10階はレストラン街ですが、エレベーター周辺とエスカレーター周辺で化石が見られます。エスカレーターは8階マツザカホールに直通で、周辺は7、8階で見られる淡いグレーのアウリジーナ・フィオリータ(イタリア産)という石材が連続的に使われています。そのため、厚歯二枚貝が所狭しと入っています。一方、エレベーター周辺はベージュ色をした石材で、イタリア産のフィレットロッソと思われます。中には、巻貝(ネリネア)が多く見られます。

義務教育の中では中学校1年の理科「大地の成り立ちと変化」で、化石について学びます。中学校の学習指導要領の中に「化石については、示相化石及び示準化石を取り上げること」となっています。示準化石は地層の堆積した時代の推定に役立つ化石のことで、示相化石は地層が堆積した環境を推定するのに有効な化石のことです。示準化石としては三葉虫、アンモナイト、貨幣石が、示相化石としては造礁サンゴが有名です。建築石材中の化石には三葉虫は見つけられませんが、あとの化石はけっこう見られます。ここで紹介しているアウリジーナ・フィオリータという石材は、厚歯二枚貝を多く含んでいるので、中生代に堆積したことがわかります。貨幣石は新生代に現われ繁栄した有孔虫ですが、貨幣石が見られれば、新生代に堆積したものであることがわかるとともに、中生代末に絶滅したアンモナイトや厚歯二枚貝などとは一緒に出ることはないのです。

写真は6枚ありますが、いずれも松坂屋南館10階の写真です。上4枚はエレベーターの周辺で、下2枚はエスカレーターの周辺で撮りました。1番上の写真はエレベーター№2と3の間を撮ったもので、赤丸の位置を近づいて撮ったものが2枚目の写真です。№1のエレベーターに向かって右側手前の壁を撮ったものが3枚目、4枚目の写真です。2~4枚目の写真にはいずれも巻貝(ネリネア)が写っています。下から2枚目の写真は上りエスカレーター横の柱を撮ったもので、近づいて厚歯二枚貝を撮ったものが1番下の写真です。近づいて撮った写真にはスケールが入っていますが、指などを一緒に撮った写真から長さを読み取ってつけたものですから、正確さはやや欠けます。







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