板取川沿いの地質、露頭 その22 関市洞戸栗原の珪質泥岩、貫入岩 :関市洞戸通元寺と栗原の境界から国道256号を百数十m北進した地点の川沿いの露頭(北側)

 前回「板取川沿いの地質、露頭その21」で紹介した露頭の北側にある露頭です。全体的には珪質泥岩からなっていますが、貫入岩が入り込んでいます。この露頭については、2020年11月25日「板取川沿いの岩石その7」で紹介していますが、再度紹介します。国道256号沿いの歩道の下に露出していますので、国道脇の歩道から見えます。

珪質泥岩は、陸地側から河川によって海へ流れ込んだ泥とは異なり、海に漂う泥と珪質の殻をもった放散虫などの生物の遺骸が混ざったものが堆積してできた岩石です。簡単に言うと放散虫チャートと泥岩の中間の岩石であり、珪酸(SiO2)分に富む細粒で緻密な岩石です。海洋プレートが大陸に近づきつつある時期の海洋の堆積物です。

貫入岩は、液体であるマグマが他の岩石(ここでは珪質泥岩)に入り込み、冷え固まった岩石です。場所からすると、奥美濃酸性岩類を形成した火山活動に関連したものだと考えられますが、肉眼で鉱物等を確認する限り、苦鉄質の岩石のように思われ、詳しいことはわかりません。

地質図において、×地点が露頭の位置で灰色(メランジュからなる地層)が分布しているように描かれていますが、前回「板取川沿いの地質、露頭その21」でも書いた通り、「脇田浩二(1995)5万分の1地質図幅「美濃」地質調査所」では、珪質泥岩となっています。写真は五種類ありますが、上の写真は対岸から西を望んでパノラマで撮ったものです。今回が右側の露頭で、前回が左側の露頭です。中上の写真は露頭を南西から撮ったもので、3枚の写真を合成しました。灰色に見えるのが珪質泥岩で、うすだいだい色に見えるのが貫入岩です。真中の写真は、中上の写真の中央付近を撮ったものです。中下の写真は珪質泥岩を中心にして、南から撮ったものです。下の写真は貫入岩に近づいて撮ったものです。なお、真中と下の写真は「板取川沿いの岩石その7」でも使用しています。スケールとして置いてあるハンマーと定規の長さは、それぞれ約28cmと約20cmです。真中と中下の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、写真の下の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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