板取川沿いの地質、露頭 その24 関市洞戸栗原の鮎料理処の東に見られるチャート石灰岩互層 :関市洞戸栗原の鮎料理処の東の左岸河床露頭

 前回「板取川沿いの地質、露頭その23」で紹介したチャート石灰岩互層の露頭が、ここでも見られます。2020年11月26日「板取川沿いの岩石その8」で紹介した露頭と同じ露頭です。チャート石灰岩互層は、チャート層と石灰岩層が交互に積み重なったように見える地層ですが、積み重なったように見えるとあやふやな書き方なのは、普通で考えると、ありえない地層だからです。チャート層は深海で堆積した地層で、石灰岩層は浅い海で堆積した地層です。また、石灰岩層は深い海では溶けてしまい堆積することがないのです。このように、同じ場所で形成することがないチャートと石灰岩が交互に積み重なっているのです。そのため、現在でもその形成過程は明確にはわかっていません。石灰岩は長い時間の中では、流動したり、他の地層に入り込んだりすることがあるので、チャートの堆積後、石灰岩がシート状に貫入したと考える研究者もみえるようです。

ここで見られるチャート石灰岩互層は、淡青灰色~青灰色をしたチャート層と、淡灰色をした石灰岩層が交互に積み重なっています。石灰岩層は10cm~20cmの厚さのものが多く、その部分は凹んでいます。走向、傾斜を測ったところ、北東-南西を走向として、北西に60°ほどの傾斜です。

地質図において、×地点が露頭の位置ですが、白色(a)の中にあり、白色は第四紀の堆積物です。周囲にはオレンジ色(Mch)や灰色(Mmx)が分布していて、おもにチャートからなる地層やメランジュからなる地層です。この地点周辺の河原で見られる露頭は、第四紀の堆積物の下に分布するチャート層などが露出しているのです。チャート石灰岩互層はチャート層中に分布します。

 写真は五種類ありますが、上の写真はチャート石灰岩互層を南東から撮ったもので、中上の写真はハンマー付近を近づいて撮ったものです。真中の写真は、上の写真に写っているハンマーの左下のところを近づいて撮りました。中下の写真は上の写真の露頭から北西へ8mほど離れたところを南東から撮ったもので、下の写真は中下の写真に写っているハンマーの左下の石灰岩層(白色の層)に近づいて撮ったものです。なお、上と真中、中下の写真は「板取川沿いの岩石その8」でも使用しています。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。五種類とも同じような写真が2枚並んでいますが、それぞれの写真を左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、下の白丸を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。特に真中の写真において、へこんで見えるところが石灰岩で、出っ張って見えるところがチャートです。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供) 







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