板取川沿いの地質、露頭 その27 関市洞戸飛瀬のキャンプ場裏の層状チャート :関市洞戸飛瀬のキャンプ場裏の右岸露頭とその対岸露頭(縄文橋上流両岸露頭)

 地質図を見ると、洞戸栗原から上流の洞戸高見(ここの地質図には高見までは載っていない)にかけては、主にチャート層と何らかの力を受けて形状が変化した砂岩泥岩互層(破断した砂岩泥岩互層と呼ぶ)が入り組んで板取川沿いに分布しています。そのため、チャート層と破断した砂岩泥岩互層が繰り返して板取川沿いに露出しています。

関市洞戸事務所の東を通っている国道256号を北進します。しばらくすると栗原橋で板取川を横切りますが、その先150mほどのところにもう一本橋があります。縄文橋と名付けられていますが、そこから北(上流)を眺めると両岸に岩場があります。チャート層です。右岸の露頭を見るには、縄文橋から200mほど進んだ右側にキャンプ場がありますが、その裏手を進み、川へ下りればよいです。層状チャートの露頭が広がります。

地質図において、露頭(×地点)は白色(a)の中にあり、白色は第四紀の堆積物です。周囲はオレンジ色(Mch)が広く分布していて、おもにチャートからなる地層です。第四紀の堆積物の下に分布しているチャート層が露出しています。写真は五種類ありますが、上の写真はキャンプ場裏の南西面の露頭を北東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央付近を東(左斜め)から撮ったものです。この露頭は、北北東-南南西を軸として西北西に30°の傾斜をもったチャート層が何層も積み重なっています。ハンマーのグリップ付近を境として上下に色が異なっていますが、両方とも層状チャートです。上の層状チャートは、灰色~暗灰色をした数cm~10cm厚のチャート層に、灰色をした数mm厚の泥岩層がはさまっています。下の層状チャートは、表面は褐灰色をしていますが、割ってみると淡灰色~暗灰色です。数cm~5cm厚のチャート層に、淡灰色をした数mm厚の泥岩層がはさまっています。全体的には、下の層状チャートの一層一層がやや薄いです。真中の写真は上の写真の露頭から40mほど下流の層状チャートの露頭を南東からパノラマで撮ったもので、中央右を南(斜め左)から撮ったのが中下の写真です。下の写真は対岸のチャート層を撮ったもので、真中に写っている露頭の左隅の下方に1mのスケール(薄黄色)が写っています。ほかにスケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と中下の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、写真の下の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)

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