板取川沿いの地質、露頭 その29 関市洞戸尾倉右岸の破断した砂岩泥岩互層 :関市洞戸尾倉の右岸河床露頭

2020年11月30日「板取川沿いの岩石その10」で紹介した洞戸尾倉の破断した砂岩泥岩互層を再度紹介します。洞戸栗原から洞戸高見にかけて、板取川沿いに分布する美濃帯堆積岩類は、主にチャート層と砂岩泥岩互層です。洞戸尾倉では、板取川は東へ大きく曲がっています。その曲がっている板取川沿いには砂岩泥岩互層が露出していますが、本来層状である砂岩はレンズ状やちぎれた形状となっています。ここでは、破断した砂岩泥岩互層と表現しておきます。

関市洞戸事務所東の国道256号を北進し、尾倉の集落に入ると川が東へ大きく曲がっています。その北東の道路沿い(集落の北東端)に商店と尾倉消防団の車庫があります。消防団の車庫の脇から川原へ下りることができます。川原へ下り、下流に進むと破断した砂岩泥岩互層が露出しており、しばらく連続して見ることができます。

地質図において、×地点が露頭の位置ですが、白色(a)の中にあり、白色は第四紀の堆積物です。周囲はうす茶色(Mal)が広く分布していて、砂岩泥岩互層からなる地層です。第四紀の堆積物の下に分布している砂岩泥岩互層が露出しているのです。写真は五種類ありますが、上の写真は破断した砂岩泥岩互層の河床露頭を南からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央付近を撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。中下の写真は、他の場所ですが、南から近づいて撮ったものです。暗灰色が泥岩で、淡灰色が砂岩です。砂岩の地層がレンズ状になったり、ちぎれた形状になったりしています。下の写真は南(下流)へ進んで、少し離れて南から露頭を撮ったものですが、露頭が一面に広がっているのがわかります。すべて破断した砂岩泥岩互層です。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と真中の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、写真の下の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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