露頭と立体視その3(チャート石灰岩互層の立体写真)

 写真は4種類ありますが、いずれも立体写真です。すべて岐阜県の美濃帯堆積岩類内の露頭を撮ったものです。同じような写真が2枚並んでいますが、写真の下の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

上と中上の写真は、「露頭と立体視その2」で掲載した露頭(関市洞戸栗原の洞戸キャンピングセンター左岸の河床露頭)の近辺にあるチャート石灰岩互層の露頭です。露頭の表面にはコケ類が生えているため、どこがチャート層でどこが石灰岩層であるかは、普通はハンマーなどで割って確かめることになります。しかし、チャートと石灰岩の浸食の違いから岩石の表面が凸凹しているため、凸はチャート層、凹は石灰岩層であることがわかります。並んでいる2枚の写真のどちらか一方を見ても、凸凹は明るさや影のつき方などである程度見当がつきます。しかし、2枚の写真で立体視をしてみると、はっきりと凸凹がわかります。このように、チャート石灰岩互層の露頭を立体視で示すと非常にわかりやすいのです。

中下の写真は、長良川沿いの露頭で見られるチャート石灰岩互層の露頭です。場所は、美濃市横持の長良川沿い左岸河床です。灰色がチャート層で白色が石灰岩層ですが、立体視をすることによって、チャート層が凸になっていて、石灰岩層が凹んでいることがわかります。

下の写真は、関市板取一里保木の杉の子キャンプ場内の板取川右岸露頭です。黒色の珪質泥岩の中に、白色の石灰岩の礫が入っています。石灰岩礫の部分が外の珪質泥岩の部分より浸食を受け、凹になっているのが立体視によってわかります。立体視をすることなく、それぞれの写真を見ると、目の錯覚によって白色(石灰岩)の方が浮き出て見える気がするかもしれませんが、凹になっています。





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