展示物と立体視その2(展示模型の立体写真)
下の2種類の写真は、古生代ペルム紀の大型2枚貝であるシカマイアの模型です。シカマイアは、美濃帯堆積岩類中の石灰岩から見つかっています。しかし、化石ではシカマイアの断面しか見られないため、全体の形はわかっていませんでした。研究によって、いくつもの断面を検討し、全体の形が推定されました。その模型が2種類の写真なのです。上の写真は岐阜県博物館に展示してある模型ですが、1枚の写真では、何となく膨らんでいる部分があるように見えても、どのように膨らんでいるかはわかりにくいです。立体視をすると、中央より左下が膨らみ細長い穴が開いていることがわかります。
復元模型は、化石から得られた3次元推定なので、研究者によってはやや異なります。下の写真は豊橋市自然史博物館に展示してある模型です。同じシカマイアという巨大二枚貝であっても、上の写真と下の写真では少し異なります。全体の形を把握できる立体模型は、立体写真によってより理解できるでしょう。
岐阜県博物館に展示してあるシカマイアの模型
豊橋市自然史博物館に展示してあるシカマイアの模型
下の4種類の写真は、化石で見つかっている生き物の模型を撮ったものです。模型は生きていた時の姿をイメージするために立体で作成したものです。1枚の写真ではなかなか立体感が伝わりませんが、2枚のとなり合う写真を立体視で見ることによって、博物館で展示されている立体模型を感じることができると思います。上の写真は群馬県立自然史博物館のフズリナの模型、中上の写真は豊橋市自然史博物館の放散虫の模型、中下の写真は九頭竜化石ラボガ・オーノのベレムナイトの模型、下の写真は豊橋市自然史博物館のアノマロカリスの模型です。
フズリナ(レピドリナ)の模型 群馬県立自然史博物館
放散虫(エンタクティニア)の模型 豊橋市自然史博物館
アノマロカリスの模型 豊橋市自然史博物館
他にも、ミクロであるために全体の形がわかりにくい花粉の模型と放散虫の模型を載せておきます。花粉の模型は滋賀県立琵琶湖博物館で撮ったもの、放散虫の模型は地質標本館で撮ったものです。同じような写真が2枚並んでいますが、写真の下の白丸や黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
花粉の模型 滋賀県立琵琶湖博物館
カシの仲間の花粉模型
スギの花粉模型
ゴヨウマツの仲間の花粉模型
放散虫の模型 地質標本館
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