展示物と立体視その7(火山噴出物と立体視)
火山噴出物である火山弾、軽石などは、火口から噴出し、その後の動きによって外形がつくられます。そのため、外形がその動きを表しています。火山噴出物の写真は2種類あります。上の写真は群馬県立自然史博物館で撮ったもので、右からパン皮状火山弾、紡錘状火山弾、牛糞状火山弾です。パン皮状火山弾は、火口から噴出された後、空中を飛行する間に外側が先に冷え固まりますが、内部はまだ熱く、内部にあるガスが気泡となって膨張し、表面を破って外へ出てしまうため、外側にひび割れが発達するのです。紡錘状火山弾はラグビーボールのような紡錘形をしていますが、粘性の低い(粘り気があまりない)マグマが火口から噴き出され、空中を飛行する間に回転し、この形になります。地面に落ちるまでには冷え固まるため、紡錘形を保存したままとなります。牛糞状火山弾は、粘性の低いマグマが落下し、地面に着地する時にまだ流動性が残り、つぶれて牛糞のような不規則な円盤状に広がったものです。下の写真は岐阜県博物館に展示されているパン皮状火山弾です。
火山噴出物は、熱くて流動性があるマグマが噴出し冷え固まる中で形が固定します。そのため、形によって、どのような動きや状況があったかがわかるのです。だから、立体でとらえられることが重要だと考えます。その意味で、立体感をもって見ることがより深い理解につながります。
下の4種類の写真は、山梨県富士河口湖町の富岳風穴内の縄状溶岩です。縄状溶岩は、粘性の低い玄武岩質溶岩が流れる際に、表面は冷えて固まりますが、内部は厚いままなので、表面の下は未固結の溶岩が流れ、表面が押されてしわができるのです。表面に縄を束ねたような模様が見られるのが特徴です。立体視で見ることによって、溶岩の表面の縄状のしわが立体でとらえられると思います。
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