一枚の写真から その3 地質の違いと山の形
上の写真は、岐阜県美濃市の長良川東方にある松鞍山(標高316m)を南から撮ったものです。南から見ると、台形の山の上に三角形の山が乗っているような山の形です。南から撮った写真ではわかりにくいのですが、山の左側にも山頂があり、左の山頂と右の山頂の間が凹むという山の形をしているのです。地形図では全体で松鞍山という記載になっていますが、地元では左の山頂を前平山と呼び、右側の高い方を松鞍山と呼んでいます。地質図を見ると、大部分はチャート層(地質図ではオレンジ色)でできていて、砂岩層(地質図では黄色)が南東から北西にかけて挟まっているという分布をしています。砂岩層がチャート層と比べて浸食されやすいため低くなり、その結果一般的な山のイメージとは違い、南から見ると左部分が削られたような形になっています。
このように、松鞍山は地質の違いで浸食が異なり、それが山の形をつくりだしているのです。地質が反映されている山の一例です。
下の写真は、松鞍山を北から撮ったものです。「松鞍山」の下に二つの山頂がありますが、「山」の下が前平山、「松」の左下が松鞍山です。南から見るよりも真中が凹んでいるのがわかると思います。長良川鉄道で美濃駅から郡上八幡方向へ向かい、美濃駅出発後約1分20秒後に撮った写真です。地質図は、HP「ジオランドぎふ」(岐阜県博物館提供)からとったものです。
コメント
コメントを投稿