一枚の写真から その5 溶結凝灰岩中の柱状節理

 




この写真は、岐阜県郡上市高鷲町穴洞の長良川左岸露頭を撮ったものです。白鳥流紋岩の溶結凝灰岩中に見られる柱状節理で、長良川沿いで見られる柱状節理では一番見事な露頭だと思います。

この露頭では、柱状節理が高さ10m弱で、数10mにわたって見られます。柱状の岩石の幅は70cm~1m数10cmです。

前回紹介した露頭は、同じ溶結凝灰岩の柱状節理の断面と思われる露頭でしたが、ここでは柱状節理が側面から見られ、まさに岩石の柱が連続しているのがわかります。柱状節理は、火山噴出物が冷却する際に体積が小さくなる(縮む)ため隙間ができ、それがもとになって連続的な割れ目が形成されたものです。その割れ目によって、岩石の柱が束ねられたような状態で露出しています。

柱状節理で有名なのは、兵庫県豊岡市の玄武洞公園内の玄武洞や青龍洞などでしょう。六角柱状の玄武岩の柱が連続的に規則正しく並んでいるのが見られます。

前回紹介した溶結凝灰岩の柱状節理の断面と考えられるものは、三角形、四角形などをしていたように、上の写真の柱状節理も見えている柱の角の大きさからすると三角柱や四角柱(直方体)をしているように思われます。

岐阜県では、溶結凝灰岩の柱状節理は、郡上市和良町鹿倉の濃飛流紋岩が知られています(下の写真)。ここの柱状節理も柱の角の大きさからすると三角柱や四角柱(直方体)をしているように思われます。


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