河原の石編 その14 木曽川沿い5 平成川島橋付近その2 :各務原市川島笠田町平成川島橋下右岸の河原

  河原の石ころ(岩石)を成因で分類する場合、まず大きく3つ(堆積岩、火成岩、変成岩)に分けます。まず、堆積岩のでき方や特徴を述べます。

〇堆積岩

地表にあるものが川の流水や風などによって運ばれて、川底や湖底、海底にたまって、固結した岩石を堆積岩と呼びます。堆積するものは、地表に分布していた岩石がくだかれてできた砕屑物、生物の遺骸、蒸発の結果として残る化学沈殿物、火山噴出物などがあります。地表に露出している岩石は、風化し、水などによって削られます。また、割れ目に入った植物の根や氷の堆積膨張によっても砕かれます。削られたり、砕かれたりしてできたものを砕屑物(さいせつぶつ)と呼びます。砕屑物は、流水や風で運ばれるうちに大きさや重さの違いで分けられます。粒の大きさを2mmと1/16mmで区切って、礫、砂、泥に分けています。2mm以上が礫、2mm~1/16mmが砂、1/16mm未満が泥です。それらを主とする岩石がそれぞれ礫岩、砂岩、泥岩となります。

生物の遺骸からつくられる岩石には、石灰岩、チャート、石炭などがあります。石灰岩は、炭酸カルシウム(CaCO)の骨格や殻をもつサンゴ、石灰藻、貝類、有孔虫などの生物の遺骸がたまってつくられるもので、ほとんどが浅い海でできたものです。チャートは、二酸化ケイ素(SiO)の殻をもつ原生動物の放散虫や珪質海綿が、深海底で堆積したものです。石炭は多くの植物が埋もれてできたものです。ほかに、珪藻がたまってできた珪藻土や鉄バクテリアの作用でつくられた鉄鉱層などもあります。

火山灰や火砕流なども地表にたまって地層をつくります。このような岩石を火山砕屑岩と呼びます。マグマの性質や噴火の性格などを調べるときは火山岩(火成岩)として扱いますが、地表での堆積作用を考えるときには堆積岩として扱います。このように、岩石には二重の性質をもつものもあります。

今回は、木曽川にかかる平成川島橋右岸の河原で見られた堆積岩であるチャート、砂岩、泥岩を載せました。それぞれの石の説明は、河原の石編その1~9を見てください。上の写真はチャート、真中の写真は砂岩、下の写真は泥岩です。




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