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板取川沿いの地質、露頭 その23 関市洞戸栗原集落の対岸のチャート石灰岩互層 :関市洞戸通元寺の洞戸キャンピングセンター(バーベキュー場)の東端の左岸露頭

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  2020年8月12日 「 長良川沿いの石灰岩その3」、2021年10月10日 「長良川本流沿い露頭編その18」、 2021年10月12日「 長良川本流沿い露頭編その20」などで紹介したように、長良川沿いにおいてチャートと石灰岩が交互に堆積しているように見える岩石(チャート石灰岩互層)が露出しています。板取川沿いにも露出していますので、今回と次回でチャート石灰岩互層を紹介します。 チャートは深い海で形成し、一方石灰岩は浅い海で形成するというように、チャートと石灰岩は形成場所が異なります。特に、石灰岩はチャートが形成するような深い海だと溶けてしまい、形成されません。チャートと石灰岩は、形成場所や形成条件が全く違うため、チャートと石灰岩が交互に積み重なるように見える産状(チャート石灰岩互層)の形成過程は正確にはわかっていないようです。ここのチャート石灰岩互層は、白色~淡青灰色をしたチャート層と白色をした石灰岩層が交互に堆積しています。チャート層は、数cm~15cmの厚さのものが多く、30cm以上の厚さの層もあります。石灰岩層は、5cm~10数cmの厚さで、石灰岩層の部分が浸食などで凹んでいて、チャート層より20cm以上凹んでいるところもあります。 地質図において、露頭(×地点)はオレンジ色( Mch )の中にあり、オレンジ色は主にチャートからなる地層です。写真は五種類ありますが、上の写真は露頭を北からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央付近を撮ったものです。ハンマーの位置は同じです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)のハンマー付近をより近づいて撮ったものです。灰色がチャートで、白色が石灰岩です。中下の写真は中上の写真の左端の部分を北西から撮ったもので、ハンマー付近を近づいて撮ったものが下の写真です。立体で見ると、チャートの部分が凸で、石灰岩の部分が凹になっているのがわかります。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と真中、中下、下の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、写真の白丸または黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図は

板取川沿いの地質、露頭 その22 関市洞戸栗原の珪質泥岩、貫入岩 :関市洞戸通元寺と栗原の境界から国道256号を百数十m北進した地点の川沿いの露頭(北側)

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  前回「板取川沿いの地質、露頭その21」で紹介した露頭の北側にある露頭です。全体的には珪質泥岩からなっていますが、貫入岩が入り込んでいます。この露頭については、2020年11月25日「板取川沿いの岩石その7」で紹介していますが、再度紹介します。国道256号沿いの歩道の下に露出していますので、国道脇の歩道から見えます。 珪質泥岩は、陸地側から河川によって海へ流れ込んだ泥とは異なり、海に漂う泥と珪質の殻をもった放散虫などの生物の遺骸が混ざったものが堆積してできた岩石です。簡単に言うと放散虫チャートと泥岩の中間の岩石であり、珪酸( SiO2 )分に富む細粒で緻密な岩石です。海洋プレートが大陸に近づきつつある時期の海洋の堆積物です。 貫入岩は、液体であるマグマが他の岩石(ここでは珪質泥岩)に入り込み、冷え固まった岩石です。場所からすると、奥美濃酸性岩類を形成した火山活動に関連したものだと考えられますが、肉眼で鉱物等を確認する限り、苦鉄質の岩石のように思われ、詳しいことはわかりません。 地質図において、×地点が露頭の位置で灰色(メランジュからなる地層)が分布しているように描かれていますが、前回「板取川沿いの地質、露頭その21」でも書いた通り、「脇田浩二 (1995)5 万分の 1 地質図幅「美濃」地質調査所」では、珪質泥岩となっています。写真は五種類ありますが、上の写真は対岸から西を望んでパノラマで撮ったものです。今回が右側の露頭で、前回が左側の露頭です。中上の写真は露頭を南西から撮ったもので、3枚の写真を合成しました。灰色に見えるのが珪質泥岩で、うすだいだい色に見えるのが貫入岩です。真中の写真は、中上の写真の中央付近を撮ったものです。中下の写真は珪質泥岩を中心にして、南から撮ったものです。下の写真は貫入岩に近づいて撮ったものです。なお、真中と下の写真は「板取川沿いの岩石その7」でも使用しています。スケールとして置いてあるハンマーと定規の長さは、それぞれ約28cmと約20cmです。真中と中下の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、写真の下の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供) 美濃地学 - 地学のおもしろさを、美濃から (minotiga