長良川沿いのチャート層 その5

 

長良川沿いのチャート層 その5

チャート層は、径が1mmより小さい放散虫などの生物の遺骸等が、1000年に数mmといわれるほどゆっくり堆積して形成された地層です。放散虫はガラス質の硬い殻をもっているため、チャート層は硬いのです。

チャート層などの硬い岩盤に円形や楕円形などの穴があいていることがあります。この穴を甌穴、あるいはポットホールと言います。上流から運ばれてきた石が岩盤の表面にある割れ目などにひっかかり、強い流れの中でその石が回転し、ドリルのように岩盤に穴をあけるのです。岩盤が硬くない場合は、穴ができても周りがくずれるため、しっかりとした穴が残りません。そのため、甌穴は河床の岩盤が硬く、激しい流れを生じる場所であれば、どの河川でも見られるものです。

国道156号線を北上し、美並IC入口の交差点を越えて900mほどのところで左折し、長良川を渡った集落が赤池です。長良川鉄道の赤池駅の東の踏み切りを南に進み突き当たった長良川右岸沿いにチャート層が広がっており、甌穴も見られます。写真が二種類ありますが、上は甌穴を撮ったもの、下は褶曲したチャート層を撮ったものです。それぞれ同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある左の●と右の●を合わせるように見ると立体的に見えます。



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