長良川沿いの白鳥流紋岩 その1
長良川沿いの白鳥流紋岩 その1
長良川沿いにおいて、郡上市大和町から南(白鳥町も一部含む)は美濃帯堆積岩類が地表近くに広く分布していますが、郡上市白鳥町から高鷲町にかけては主に白鳥流紋岩と呼ばれる火山から噴出し冷え固まった岩石が地表近くに分布しています。白鳥流紋岩は詳しく研究されていないようですが、岐阜県美濃地方から飛騨地方に広く分布している濃飛流紋岩に似た岩石です。噴出した年代は、周辺に分布する同様の噴出物の年代からして白亜紀末から古第三紀だと考えられています。
火山から噴出したものというと、溶岩や火山灰と思われるかもしれませんが、白鳥流紋岩は主に火砕流堆積物が冷え固まった岩石からなっています。火砕流という言葉は、1992年の雲仙普賢岳の噴火の時に、火山災害をもたらす恐ろしい噴出物として話題になりました。雲仙普賢岳の噴火の際に大規模火砕流と新聞に掲載されましたが、過去の火砕流の規模からすると雲仙普賢岳で噴出されたものは小規模なものです。高温のガスや火山灰、軽石などが、噴出後非常に高速で山体を流れ下るわけですが、時速100km以上のスピードになるため、車でも逃げ切れないというものです。その火砕流は、高温(800℃ほどと言われる)であるため、大量の火砕流が噴出し山体を下り堆積すると、すぐさめてしまわずに、自身の熱でガラスがやわらかくなり(軟化し)自分の重さでぺちゃんこにつぶれてしまうのです。岩石名としては、火山灰などの噴出物自身がもつ熱と重量によって溶融し圧縮され固結するということで溶結凝灰岩と呼びます。
長良川鉄道の終点である北濃駅(郡上市白鳥町歩岐島)の東の道路は国道156号線ですが、北進して200mほどのところに橋がかかっています。そこを渡り、左側(北へ)100mほど進んだところに岩石が露出していますが、その岩石が溶結凝灰岩です。川に下りて近付くことができます。川に洗われているため、表面の岩石の様子もわかります。
写真が二種類ありますが、上の写真は溶結凝灰岩を少しはなれた南西から撮ったものです。下の写真は近づいて北西から撮ったものです。上の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある左の●と右の●を重なり合わせるように見ると立体的に見えます。
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