板取川沿いの岩石 その21(関市板取岩本:非溶結の凝灰岩)

 

板取川沿いの岩石 その21(関市板取岩本:非溶結の凝灰岩)

 奥美濃酸性岩類は、11月18日の「板取川沿いの岩石その3」で紹介したように、岐阜県の約1/4の面積を占める濃飛流紋岩のような1つの巨大な岩体をつくっているのではなく、美濃市北部、関市洞戸~板取、郡上市八幡町西部などの山頂や尾根上などの標高の高いところに点在するように分布しています。そのため、板取川沿いに広く分布しているわけではありませんが、関市板取岩本の川原でも見ることができます。

国道256号を北進し、板取老洞と生老のほぼ境界で郡上方面に右折することなく、そのまま県道52号で北進します。板取上ヶ瀬の板取事務所を越え、板取小学校方面に向かう途中に右側に「岩本」の表示板があり、左側にテニスコートと岩本集会所があります。岩本集会場の西に川原へ下りる道があり、川原の左岸を下流(南)に向かって100mほど歩いたところに岩石が露出しています。

ここに露出している奥美濃酸性岩類の凝灰岩は、12月8日の「板取川沿いの岩石その16」や11月18日の「板取川沿いの岩石その3」で紹介した溶結凝灰岩とは異なっているようです。近づいてみると、見た目楕円形の本質物(奥美濃酸性岩類の一連の噴出物)が点在します。火山豆石または軽石だと思われますが、つぶれていないので溶結はしていないと考えられます。

写真が三種類ありますが、上の写真は凝灰岩を南から撮ったもので、真中の写真は近づいて撮ったものです。下の写真はもっと近づいて凝灰岩を接写したもので、灰色の楕円形のものが見えます。写真の縦は3cmで、スケールの一目盛りは1mmです。上の写真は同じような写真が2枚並んでいますが、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、下の●を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。




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