県内美濃地方編 その62 関市・郡上市周辺8 郡上市白鳥町の阿弥陀ヶ滝(安山岩質溶岩、安山岩質火山砕屑岩) :郡上市白鳥町前谷阿弥陀ヶ滝

 長良川鉄道終点の北濃駅を出て、国道156号線を約1.3km北進し、白鳥町前谷で県道314号線を西進して3.kmほど進んだところに、阿弥陀ヶ滝の駐車場があります。そこから、道案内表示板にしたがって10分ほど山道を歩くと阿弥陀ヶ滝が見えてきます。阿弥陀ヶ滝は大日ヶ岳の一部を構成する溶岩層にかかった落差約60mの滝で、滝の下部には約5mの厚さの火山砕屑岩(かざんさいせつがん)が溶岩層にはさまれています。火山砕屑岩は、溶岩とは違って、火山から噴出された火山灰や火山岩塊などが堆積してできた岩石です。そのため溶岩と比べると堅固ではなく、侵食されやすい場合が多いです。一般に均質の岩質からなっている場合は、水の流れによって同じような傾斜をもつ谷がつくられます。しかし、火山砕屑岩の上に溶岩が載っていると、上部の溶岩は硬くて侵食されにくいですが、下部の火山砕屑岩は侵食されやすいため、境界付近で急崖を形成することが多くなります。落差のある阿弥陀ヶ滝もこのような理由から急崖を形成しています。溶岩は輝石安山岩で構成され、溶岩層の形成年代は約100万年前(K-Ar年代)のようです。

写真が四種類ありますが、上の写真は阿弥陀ヶ滝を東側からパノラマで撮ったもので、中上の写真は滝の部分を縦長で撮ったものです。中下の写真は、滝の左側の柱状節理を撮りました。下の写真は安山岩質溶岩を接写したもので、写真の縦は3cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下部にある黒丸や白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。






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