長良川本流沿い露頭編 その29 美濃市須原右岸河床の石灰岩 :美濃市須原右岸河床露頭(洲原神社の北東100m強の河原)

   昨年の8月11日「長良川沿いの石灰岩その2」で紹介した場所と同じ露頭です。昨年は河原の石に埋まっていて露頭が見えなかったのですが、現在は河原の石が移動したため石灰岩が露出しています。

美濃帯堆積岩類の中の石灰岩は、大昔のサンゴ礁が海洋プレートによって運ばれ、大陸の縁(現在の日本列島)に付加したものです。石灰岩は主に炭酸カルシウムからなっているため、酸性の水溶液に溶けます。雨水によっても徐々に溶けてしまいます。そのため、石灰岩が露出しているところでは、石灰岩が溶けて独特の地形をつくることが多いです。中下の写真には石灰岩の表面に上下方向の溝状のものが見られますが、「カレン」と呼び、雨水などによって溶けた跡です。

地質図において、露頭のある地点(×地点)はそら色(Mlm)で、おもに石灰岩からなる地層です。緑色(Mbs)の中に小規模に分布しています。緑色はおもに緑色岩(玄武岩質火山岩類)からなる地層です。写真が四種類ありますが、上の写真は河原に露出している石灰岩を北西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部やや左を撮ったものです。中下の写真は上の写真の左側を近づいて撮ったものです。上下方向に溝状のもの(カレン)が見えます。下の写真は石灰岩を接写したもので、中央上に写っているのがフズリナです。下の写真の縦は3cmです。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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