長良川本流沿い露頭編 その65 美並町勝原左岸の混在岩と花崗斑岩 :郡上市美並町大原勝原左岸露頭(長良川鉄道鉄橋と勝原橋との間)

   昨年の9月8日「長良川沿いのメランジュその3」、9月29日「長良川沿いの花崗斑岩その3」で、美並町勝原の勝原橋下流左岸に分布する混在岩とそれを貫く花崗斑岩を紹介しました。今回再度紹介しますが、混在岩については露頭が異なります。国道156号を美濃市から北上し、「道の駅美並」を越えて1.7kmほど進んだところに子宝の湯の表示板があります。そこを右折すると、赤い勝原橋が見えます。勝原橋から南東を望んだのが上の写真です。長良川鉄道の鉄橋との間に、黒っぽい混在岩と白っぽい花崗斑岩が見えます。

混在岩はメランジュからなる地層中に特徴的な岩石で、基質である黒っぽい泥岩の中に砂岩やチャートなどのさまざまな大きさの礫(岩塊)が入っています。この露頭では、暗灰色~黒色の泥岩の中にさまざまの大きさの砂岩の礫(岩塊)が入っています。大きいものとしては、4m×1.5m×1.5mほどの砂岩も入っています(中上の写真のハンマーのうしろに写っている岩石)。花崗斑岩は1mmほどの長石が点在し、石英も少し見えます。

地質図において、この露頭がある×地点周辺には灰色(Mmx)が分布します。灰色は、メランジュからなる地層です。露頭としては花崗斑岩が存在しますが、規模的には大きくないため、地質図には表現されていません。写真が五種類ありますが、上の写真は勝原橋(赤い橋)から南東を眺めて撮ったもので、鉄橋の橋脚近くは混在岩で、その手前に花崗斑岩があります。写真には写っていませんが、勝原橋の近くにも黒っぽい混在岩が露出しています。中上の写真は上の写真に写っている混在岩を南から撮ったもので、真中の写真は混在岩を同じく南から近づいて撮ったものです。黒っぽいのが基質部分の泥岩で、灰色の礫が砂岩です。中下の写真は、上の写真の中央左に写っている花崗斑岩の露頭を南から撮ったものです。下の写真は、花崗斑岩を接写したもので、写真の縦は約6cmです。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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