長良川鉄道沿いの地形・地質編 その11 木尾駅~八坂駅間のトンネル通過後対岸に見える黒地地区の花崗斑岩 :木尾駅~八坂駅間、木尾駅から出発して約1分50秒後(トンネル通過後)、右車窓より

 3年前の9月28日「長良川沿いの花崗斑岩その2」、一昨年の12月21日「長良川本流沿いの露頭編その62」で紹介した美並町黒地地区の花崗斑岩の露頭が、長良川鉄道の列車からでも見られますので紹介します。長良川鉄道下りにおいて、木野駅出発後1分10秒ほどで右車窓から長良川が見えてきます。途中でトンネルに入りますが、トンネルを抜けてすぐ右車窓から長良川対岸(左岸)を眺めると、長良川のカーブの内側に花崗斑岩の露頭が見えます。木尾駅出発後約1分50秒後です。

郡上市美並町黒地地区の長良川左岸には、チャートを貫いて花崗斑岩が露出しています。近づかないとわかりませんが、ここの花崗斑岩は、チャートとの接触部付近では花崗斑岩を構成する鉱物の粒が全体的に細かく、接触部から離れた花崗斑岩には大きな鉱物の結晶(斑晶)が入っています。鉱物の細かい部分を急冷周縁相と呼びます。でき方など詳しくは、一昨年の12月21日「長良川本流沿いの露頭編その62」をご覧ください。

ここで見られる花崗斑岩(貫入岩)は、地質図にも描かれてあります。⇒の先に露頭があります。地質図上ではピンク色(Okg)で、Okgは奥美濃酸性岩類関連の岩脈(貫入岩)です。写真が五種類ありますが、上の写真は長良川鉄道の列車内から撮ったものです。それを拡大したものが中上の写真です。赤丸で囲ってある露頭は、急冷周縁相がわかる花崗斑岩です。真中の写真は花崗斑岩の露頭に近づいて西からパノラマで撮ったもので、左側の白っぽい露頭が花崗斑岩で、右に露出しているのがチャートです。中下の写真は真中の写真の中央少し左を撮ったもので、下の写真は真中の写真の中央下縁の少し左をより近づいて撮ったものです。急冷周縁相がわかる部分で、右側は鉱物の粒が全体的に細かいですが、左側は大きな鉱物の結晶が入っています。真中と中下、下の写真は、「長良川本流沿いの露頭編その62」でも使用しています。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下部の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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