長良川本流沿い露頭編 その186 高鷲町郡上谷橋下流の溶結凝灰岩(白鳥流紋岩)中の貫入岩 :郡上市高鷲町鮎立の郡上谷橋下流右岸河床露頭(郡上谷橋の30mほど南西右岸)
郡上市高鷲町鮎走の大向橋を南から北へ渡ってすぐを斜め左へ進むと、突き当りに切立への表示板があります。そこを右折し、400mほど進むと、右に曲がったところに橋(郡上谷橋)があります。近くに車を止め、川へ下りると、橋の下流右岸に溶結凝灰岩が露出しています。郡上谷橋の下流側(南西)30mほどのところには、溶結凝灰岩と安山岩質と思われる貫入岩の露頭が見られます。この溶結凝灰岩は淡青緑灰色で、1mm~数mmの石英とカリ長石、1mm前後の斜長石が入っているのがわかります。また、貫入岩は暗青灰色で、鉱物の結晶は小さくてわかりにくく、1mm以下の斜長石がわかる程度です。安山岩質だと思われますが、顕微鏡で確認していませんので、貫入岩としておきます。貫入岩の見かけ上の幅は1.5m~1.7mです。溶結凝灰岩と貫入岩の境界面は、北西-南東を軸として、北東に70°ほど傾いています。
地質図において、この溶結凝灰岩と貫入岩の露頭(×地点)は、黄土色で横線あり(SR)の中にあって、黄土色で横線ありは白鳥流紋岩火山岩類です。周囲にある黄色(AT)、茶色で斜線ありは、それぞれ阿多岐層と呼ばれる湖沼性の堆積物、大日ヶ岳火山の噴出物です。写真が五種類ありますが、上の写真は溶結凝灰岩と貫入岩の露頭を南東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。ハンマーが置いてある場所から左は溶結凝灰岩、ハンマーの右は貫入岩です。真中の写真は、溶結凝灰岩(左)と貫入岩(右)の境界付近を縦長に撮ったものです。貫入岩が溶結凝灰岩に入り込んでいるのですが、貫入岩に接している近くの溶結凝灰岩には、貫入岩との境界面に平行の割れ目が何本も入っています。中下の写真は、同じ露頭を北東から(中上の写真の右側から)撮ったものです。下の写真は、溶結凝灰岩と貫入岩の割った面を接写したもので、写真の縦は2.3cmです。左が溶結凝灰岩で、右が貫入岩です。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下部の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
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